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2024/06/28 07:11


自宅でも本格的に取り組める大胸筋種目ダンベルプレスの細マッチョを目指すためのやり方・動作ポイントと適切な負荷回数設定について、元五輪強化指定選手で現フィジーク選手が解説します。

 

この記事の執筆・監修者

HAYATE選手

五輪種目テコンドー元強化指定選手(全日本選手権準優勝2回)

 

2023年フィジーク競技転向デビュー戦優勝

 

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本種目が効果のある筋肉部位

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本種目は主に大胸筋に効果があり、二次的に三角筋や上腕三頭筋にも負荷がかかります。なお、細マッチョ体型を目指すトレーニングの場合、次の項目の基準に従って鍛える筋肉部位ごとに負荷回数設定を決める必要があります。

 

細マッチョを目指すために適切な負荷設定

細マッチョの代表格とも言えるフィジーク選手のコンテスト審査基準は、ボディービル競技と違い過度な筋肥大がNGとされている筋肉部位があり、その基準の体型が標準的な細マッチョ体型とされています。具体的には下記の一覧の通りです。

 

過剰な発達がNGとされる筋肉部位:大胸筋・上腕三頭筋・僧帽筋・下半身の筋肉

 

発達がしているほうが良い筋肉部位:広背筋・三角筋・上腕二頭筋・腹筋群

 

筋肉(骨格筋)を構成する筋繊維には以下のタイプがあり、どの程度筋肥大を狙うかで適切な負荷回数設定が異なります。

 

①筋繊維タイプ1(持久筋):鍛えてもほとんど筋肥大しない|腹筋・下半身など引き締めたい筋肉部位|20回前後の反復で鍛える

 

②筋繊維タイプ2a(弱い瞬発筋):鍛えるとやや筋肥大する|過剰な発達がNGな筋肉部位が対象|15回程度の反復で鍛える

 

③筋繊維タイプ2b(強い瞬発筋):鍛えると強く筋肥大する|筋肥大させたい筋肉部位が対象|10回程度の反復で鍛える

 

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本種目の細マッチョ向き負荷回数設定

本種目は、細マッチョの定義やフィジーク競技の基準を考慮し、②筋繊維タイプ2aをターゲットに15回の反復で限界がくる負荷設定で実施するのが適切です。

 

本種目のやり方

①ベンチに仰向けになり、胸の上で肘を伸ばしダンベルを構える

 

②肩甲骨を寄せたまま、ダンベルをできるだけ深く下ろす

 

③肩甲骨が開かないように気をつけ、ダンベルを胸の上に押し上げる

 

フィジーク選手のポイント解説

 

ダンベルプレスはやり方を間違えると刺激・負荷が大胸筋に届かず、三角筋や上腕三頭筋にばかり効いてしまうことになります。

 

 


ダンベルプレスで肩に効いてしまうケースでは、そもそもダンベルを下ろす位置が悪いことが原因として多く見られます。脇を開きすぎる、つまり体軸と上腕の角度が90度以上になると、肩関節に強い負荷がかかってしまいます。そのことを意識し、ダンベルは肩のラインよりもややヘソ寄りに下ろすようにすることで、かなり改善することができます。


 

 

ダンベルプレスが三角筋や上腕三頭筋に効いてしまう理由として、もっとも多いのが「肩甲骨を寄せきれていない」というものです。

 

 

肩甲骨を寄せきれていないと、広義の肩関節(胸鎖関節・肩鎖関節・肩甲胸郭関節)が後ろに引かれず、「前方に残ったまま」の状態になります。

 

 

そして、この状態のままだと狭義の肩関節も前方に出た状態となり、そのままダンベルプレスを実施すると肩関節に強い負荷がかかってしまいます。

 

ですので、ダンベルプレスを実施する場合は、構えてから再度しっかりと肩甲骨を寄せるイメージで体勢をつくるようにします。

 

 

肩甲骨を寄せるのが苦手な方は、このようなスパインサポーターを使って肩甲骨を寄せる補助にするとよいでしょう。

 

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八の字グリップまたは縦持ちダンベルプレスのすすめ

 

ダンベルプレスが肩に効いてしまう人におすすめなのが、この図のような八の字グリップでのダンベルプレスです。

 

ダンベルプレスのセットップが完了したら、いよいよダンベルを下ろしていきますが、この時にダンベルをやや内側に傾けるとともに、上から見て八の字になるように少し斜めにダンベルを保持するのがポイントです。

 

ダンベルを内側に傾けることにより、手首関節に負担が少なく、なおかつダンベルの重量をしっかりと前腕骨で支えることができます。また、やや八の字に構えることで、動作中に肩甲骨が開きにくくなり、肩関節への負担が減少します。

 

上腕の角度もやや八の字にして、肘が肩よりも頭側へ出ないように注意します。肘が肩よりも頭側に入ってしまうと肩関節に対するねじれ負荷が発生してしまうので気をつけてください。

 

八の字グリップで前腕骨を垂直に保ったままダンベルを下ろすと、ダンベルはスタート位置よりも自然と外側に下ります。ここから、真上に押し上げるのではなく、スタート位置に戻るように「外から内に向けた軌道」でダンベルを押し上げます。

 

 

もう一つおすすめなのが、この図のような縦持ちダンベルプレスです。

 

やり方は、手の平が向き合うようにハンマーグリップで構えて、あまり脇を開かないように注意して行うだけです。

 

本種目のバリエーション

インクラインダンベルプレス

 
 

インクラインベンチを使い、斜め上に腕を押し出すバリエーションで、大胸筋上部に負荷がかかります。

デクラインダンベルプレス

 
 

デクランベンチを使い、斜め下に腕を押し出すバリエーションで、大胸筋下部に負荷がかかります。

ワンハンドダンベルプレス



片手で行うバリエーションで、通常のダンベルプレスよりも可動範囲が広くなるのが特徴です。

 

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