筋トレ各ギア解説筋トレ情報ページ

2020/11/14 07:50


腕相撲(アームレスリング)のために必要となる筋肉部位とその鍛え方について解説します。

まずは、上図で全身の主な筋肉をご確認ください。

重要となる順番に、腕相撲(アームレスリング)における各筋肉の作用・鍛え方を解説していきます。

1前腕筋群



腕相撲(アームレスリング)は「前腕のスポーツ」とも言われるほど、前腕筋群の力が重要になります。前腕筋群は大小合わせ20前後の筋肉で構成されていますが、大きく前腕屈筋群と前腕伸筋群に分けられます。

腕相撲(アームレスリング)における前腕屈筋群と前腕伸筋群の作用は以下の通りです。

前腕屈筋群

フックに重要な手首の屈曲(掌屈)および回内
トップロールに重要な手首の屈曲(掌屈)

前腕伸筋群

トップロールに重要な手首の外転(橈屈)および回外


前腕筋群のトレーニングには、次のようなアームレスリング専用トレーニング器具での筋力養成が効果的です。

指先からのストローク力養成に効果の高いウルトラグリップ(フック・トップロール両用)


手の平の面でストロークする筋力を鍛えられるストラップローラー(フック・トップロール両用)






回内動作と同時にストローク力を鍛えられるフックハンドル(フック専用)


手首を外転(橈屈)させながら回外筋力も鍛えられるトップロールハンドル(トップロール専用)




手首を回内させる「親指の壁」を鍛えるサムハンドル



手首を立てる(撓屈させる)力を集中的に鍛えられるバーチカルバー


世界的にあまりにも有名なアームレスリングトレーニング器具であるマズレンコグッズですが、基本的にはケーブルマシンに取り付けて使用する「ケーブルアタッチメント」...

2背筋群



腕相撲(アームレスリング)は背中で相手の手や腕を引き寄せることが基本となる競技です。このため、背筋群(特に広背筋)の筋力を鍛えることは重要です。

腕相撲(アームレスリング)においては、脇を閉める(肩関節を内転させる)、腕を引き寄せる(肩関節を伸展させる)といった働きをします。



トレーニング方法として最適なのは、懸垂です。それも、一般的なワイドグリップチンニングではなく、脇を閉めた状態で行うナローグリップチンニングやパラレルグリップチンニングが有効です。



さらに実戦に近い状態で懸垂をするために非常に有効なのが、こちらのような懸垂用グリップボールです。この器具を使うことにより、腕相撲(アームレスリング)に近い、相手の拳を握ったような状態でチンニング動作が可能になります。



3上腕二頭筋



上腕二頭筋は肘関節を曲げる作用のある筋肉で、内側の短頭と外側の長頭から構成されています。

腕相撲(アームレスリング)においては、肘を直角に維持するために必要なだけでなく、フックで重要な前腕回外動作にも作用します。



腕相撲(アームレスリング)に向いた上腕二頭筋のトレーニング方法がダンベルカールですが、フックの場合は上図のような、回内動作をともなったコンセントレーションカールが極めて有効です。



また、トップロールにはこの図のような、縦向きにダンベルを持って行うダンベルハンマーカールが非常に効果的です。





これらのダンベルカールを、より実戦に近い状態(相手の拳を握った状態)で行えるのが、こちらのようなグリップボールやメガグリップです。

4上腕三頭筋



肘を伸ばす作用を持つ上腕三頭筋は、よく腕相撲(アームレスリング)に作用しないと誤解されますが、実は重要な筋肉です。特に重要となるのが、内側の長頭(図で赤色の部位)で、肩甲骨に接合していることから脇を閉める(腕を内転させる)作用を持っています。



上腕三頭筋長頭に有効なトレーニング種目がケーブルトライセプスプレスダウンです。特に、ナローグリップでロープアタッチメントを使って行う方法は、上腕三頭筋長頭に負荷が集中するため、腕相撲(アームレスリング)に最適です。



家庭でも、簡単にケーブルマシントレーニングを可能にするのが、こちらのようなセットです。



腕相撲(アームレスリング)ためには、この写真のように、頑丈で太い径のロープアタッチメントが要求されます。

5回旋筋腱板



最後に、もう一つ重要な筋肉がありますが、それはここまで解説してきたような表層筋(アウターマッスル)ではなく、肩甲骨と上腕骨を接合させるインナーマッスルの回旋筋腱板(ローテーターカフ)です。なかでも、棘下筋と肩甲下筋は腕相撲(アームレスリング)の腕のブレを止めるのに極めて大切な働きをします。



棘下筋のトレーニングとして効果の高い種目が、この動画のようなインターナルローテーションです。また、肩甲下筋の強化に効果の高い種目が、逆方向のどうさであるエクスターナルローテーションです。



ローテーターカフのようなインナーマッスルは、高負荷で鍛えてもあまり意味がなく、トレーニングチューブのような低~中程度の漸増負荷で「ゆっくりじっくり」トレーニングしていくことが重要です。



トレーニングチューブは、さまざまなアタッチメントの装着を考慮し、この写真のような大型フックカラビナを装備したタイプを選ぶことがポイントです。

腕相撲(アームレスリング)の解説記事集

腕相撲(アームレスリング)のテクニック


腕相撲のコツと有効なトレーニング器具


腕相撲の二つの技(吊り手・噛み手)|アームレスリングのトップロール・フックのテクニック


腕相撲のテクニック|トップロール(吊り手)とフック(噛み手)のやり方


アームレスリングのトップロール(腕相撲の吊り手)が強くなるトレーニング器具


腕相撲の巻き込み(アームレスリングのフック|噛み手)のやり方


腕相撲(アームレスリング)の理論・知識



腕相撲が強い人の特徴|細いのに強い人の理由や筋肉は関係ない?


自分より力の強い相手に腕相撲で勝つ方法


腕相撲で重要なのは筋力かコツか?


腕相撲は腕が長いと有利?


腕相撲をすれば筋肉はつく?


ベンチプレスは腕相撲に効果がある?


腕相撲(アームレスリング)の筋トレ


腕相撲はどこの筋肉を鍛えたら強くなる?


腕相撲に必要な手首の強さと鍛え方は?


腕相撲のための自宅ダンベル筋トレメニュー


腕相撲が強くなる道具なし筋トレの種類とやり方


腕相撲が強くなる懸垂の種類とやり方


腕相撲が強くなる腕立て伏せのやり方



執筆者情報



上岡岳|Gaku Kamioka


生物学学芸員|Biology Museum Curator

教育学士|Bachelor of Education

フィジカルトレーナー|Physical trainer

アジア選手権3位|Asian Championship 3rd place


IFA国際アームレスリング連盟国際シニアレフリー|International  Federation of Armwrestling Senior Referee


IFA国際アームレスリング連盟アンチドーピング委員|International  Federation of Armwrestling Anti-doping committee


一般社団法人JAWA日本アームレスリング連盟常任理事・レフリー委員長|JAWA (Japan Arm Wrestling Association) Executive Director, Head Referee


Mazurenko equipment Japan CEO

EzrealArmwrestlingClub Japan CEO

ONIARM-JAPAN armwrestling equipment CEO