2024/03/21 05:24
アジアのアームレスリングメダリストである著者が、腕相撲に関する質問に答えます。
今回の質問は「腕相撲に必要な手首の強さと鍛え方は?」です。
これについてお答えします。
腕相撲に必要な手首の強さは技によって異なり、その鍛え方も異なります。
※本記事は英文記事「What is the wrist strength required for arm wrestling? | Asian medalist armwrestler explains about it」の翻訳記事です。
手首の強さ・力とは?
「手首の強さ」と一般的には言われますが、実際のところ、図のように手首は骨・関節・靭帯で構成されており、そこに筋肉はありません。手首の動作をつかさどっているのは前腕筋群ですので、厳密には「前腕筋の強さ」になります。
前腕筋群は20以上の筋肉から構成されており、複雑な手首の動作を行いますが、大きくは「前腕屈筋群」と「前腕伸筋群」に分類されます。
腕相撲の二つの技
腕相撲には二つの技があり、それはトップロール(日本語では吊り手)とフック(日本語では噛み手)です。
それぞれの技の特徴は次の通りです。
トップロール(吊り手)に必要な手首の強さ
トップロールの特徴
てこの原理を使って、相手の指先を吊り上げ、斜め後方にロールして相手を倒す技がトップロールです。その、動作軌道は以下のようになります。
トップロールの軌道
トップロールでは、以下の3つの動作を円運動で行います。
①相手の指先を吊り上げる
②相手の拳を引きつける
③自分の拳を転がす(ロール)
トップロールに必要な筋力
このような技の特徴と軌道から、トップロールに必要なのは「橈屈(ヘッドを立てる力)」と「回内(ロールする力)」となります。
具体的には、腕橈骨筋と前腕屈筋群になります。
フック(噛み手)に必要な手首の強さ
フックの特徴
フックは手首を巻きつけると同時に、相手の拳を自分の手首の下敷きにして、横方向に押し倒す技です。
フックの軌道
フックでは、以下の3つの動作を円運動で行います。
①手首を巻きつける
②手前に引きつける
③横方向に押し倒す
フックに必要な筋力
このような技の特徴と軌道から、フックに必要なのは「掌屈(手首を曲げる力)」と「回外(捻る力)」となります。
具体的には前腕屈筋群になります。
腕相撲の手首の強さの鍛え方
腕相撲の手首の強さを鍛えるためのトレーニングには、リストカール系トレーニング、リストローテーション系トレーニング、リストハンマー系トレーニングなどがありますが、やはりアームレスリング競技専用に開発されたトレーニング器具を使って行うのが最適です。
鍛える筋力別に適合するトレーニング器具は次の通りになります。
リストカール系トレーニング(掌屈力)
リストローテーション系トレーニング(回旋力)
リストハンマー系トレーニング(橈屈力)
さらに詳しい腕相撲の情報
さらなる腕相撲の詳細については、次の記事を参照してください。
執筆者情報
上岡岳|Gaku Kamioka
生物学学芸員|Biology Museum Curator
教育学士|Bachelor of Education
フィジカルトレーナー|Physical trainer
一般社団法人JAWA日本アームレスリング連盟常任理事・レフリー委員長|JAWA (Japan Arm Wrestling Association) Executive Director, Head Referee
Mazurenko equipment Japan CEO
EzrealArmwrestlingClub Japan CEO
ONIARM-JAPAN armwrestling equipment CEO