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2024/03/24 04:27


腕相撲(アームレスリング)が強くなるための器具なし筋トレ=自重トレーニングの種類とやり方を、アームレスリング元日本代表でアジアメダリストの筆者が解説します。

腕相撲のための筋トレの頻度は?



腕相撲が強くなるために最も重要なことは「実戦練習」で、日本各地の腕相撲・アームレスリングのジム道場の練習会に参加することができます。


ほとんどのジム道場では、週一回の練習会を開催していますので、まずはこれに参加しましょう。


腕相撲・アームレスリングの実戦練習をすると、筋肉を回復させるために数日間は休養することも大切です。


また、実際にかなりの筋肉痛になるので、数日間は筋トレをするのは難しいでしょう。


このため、現実的には週一回(または二回)の補助的な筋トレを実施することになります。


具体的に一週間の練習・トレーニングプログラムは以下の通りです。


①実戦練習(週一回)

②得意な技のための筋トレ(週一回)

③苦手な技のための筋トレ(余裕があれば)


腕相撲の2つの技と重要な筋肉

腕相撲には大きくは二つの技があり、それは次のものです。


①トップロール(吊り手):主に背中の筋肉を使って相手の指先を吊り上げ、後ろ方向に手首をひねりながら倒す技


②フック(噛み手):主に胸と肩の筋肉を使って相手の手を巻き込み、横方向に手首を絞りながら押し倒す技


それぞれの技の詳細な使い方は下記の記事をご参照ください。


腕相撲のテクニック|トップロール(吊り手)とフック(噛み手)のやり方をアームレスリング日本代表が解説


そして、この二つの技に重要な筋肉が以下のものです。


①トップロール(吊り手)に重要な筋肉


広背筋・僧帽筋・上腕二頭筋長頭・前腕筋群


②フック(噛み手)に重要な筋肉


大胸筋・三角筋・上腕二頭筋短頭・前腕筋群


腕相撲(アームレスリング)向き器具なし筋トレ

大胸筋内側に負荷のかかるナロープッシュアップ



ナロープッシュアップのやり方の手順

①うつ伏せになり、手を肩幅より狭くつき、背すじを伸ばして構える

②肩甲骨をしっかりと寄せた状態をキープしたまま上半身を下ろす

③肩甲骨を寄せたまま、腕を押し出して上半身を押し上げる

フォームのポイント

本種目は、肩甲骨をしっかりと寄せた状態を保って動作を行うことが大切です。肩甲骨がしっかりと寄っていないと、負荷が三角筋にばかりかかりますので注意してください。

また、肘をあまり外に張り出しすぎると負荷が上腕三頭筋にかかりにくくなりますので、脇をしめて行ってください。

三角筋前部に有効なパイクプッシュアップ


パイクプッシュアップのやり方の手順

①うつ伏せになり、手と足を広く置き、腰を大きく曲げて構える

②肩甲骨をしっかりと寄せた状態をキープしたまま上半身を斜め前に下ろす

③肩甲骨を寄せたまま、腕を押し出して上半身を斜め後ろに押し上げる

フォームのポイント

本種目は、腰を大きく曲げて斜め前から斜め後ろに向けて身体を押し上げますが、これは三頭筋の作用=上に腕を上げる動きを再現したものです。この作用と軌道を意識して、三頭筋に負荷を集中することが大切です。

上腕三頭筋長頭に効果的なベンチディップス

ベンチディップスのやり方の手順

①足を前方に伸ばし、身体の後ろに肩幅程度の広さに手をついて構える

②肩甲骨を寄せ、上腕が床と平行になるまで身体を下ろす

③肩甲骨を寄せたまま、身体を元の位置まで押し上げる

フォームのポイント

本種目は、肘を開き気味で行うと上腕三頭筋短頭(外側)に、肘を閉じ気味で行うと上腕三頭筋長頭(内側)に負荷がかかります。

トップロールに効果的なパラレル懸垂


パラレル懸垂のやり方の手順

①手の平が向き合うようにグリップし構える

②肩甲骨を寄せながら身体を引き上げていく

③身体を引き上げたら、肩甲骨を寄せきるとともに、やや顎を上げて背筋群を完全収縮させる

フォームのポイント

本種目は、背中を丸めずに行うことが重要で、そのためには背すじを伸ばして、やや顎を上げた状態で行うことがポイントです。また、肩甲骨を寄せずに行うと負荷が上腕二頭筋にばかりかかってしまうので注意してください。

フックに効果的な逆手懸垂


逆手懸垂のやり方の手順

①逆手でバーをグリップして構える

②肩甲骨を寄せながら身体を引き上げていく

③身体を引き上げたら、肩甲骨を寄せきるとともに、やや顎を上げて背筋群を完全収縮させる

フォームのポイント
本種目は、背中を丸めずに行うことが重要で、そのためには背すじを伸ばして、やや顎を上げた状態で行うことがポイントです。また、肩甲骨を寄せずに行うと負荷が上腕二頭筋にばかりかかってしまうので注意してください。

なお、上腕二頭筋をメインターゲットとして本種目を行う場合は、あえて背中を丸め気味にし、できるだけ背筋群を使わずに負荷を上腕二頭筋に集中させるやり方もあります。

基本となるノーマル懸垂


懸垂(チンニング)のやり方の手順

①肩幅よりも広くバーをグリップして構える

②肩甲骨を寄せながら、胸をバーにつけにいくフォームで身体を引き上げる

③身体を引き上げたら、肩甲骨を寄せきり、背筋群を完全収縮させる

④ある程度筋力でコントロールして身体を下ろす

フォームのポイント

本種目は、肩甲骨を寄せて背筋群を完全収縮させることが大切で、そのためには「バーより上に顎を出す」のではなく、「バーに胸をつけにいく」イメージで身体を引き上げます。

また、顎を引くと背中が丸まり背筋群が完全収縮しにくくなるので、やや顎を上げる意識で行ってください。

懸垂ができない人は斜め懸垂から


斜め懸垂(インバーテッドロウ)のやり方の手順

①バーをグリップして仰向けになり、背すじを伸ばして構える

②肩甲骨を寄せながら身体を引き上げていく

③身体を引き上げたら、肩甲骨を寄せきるとともに、やや顎を上げて背筋群を完全収縮させる

フォームのポイント

本種目は、背中を丸めずに行うことが重要で、そのためには背すじを伸ばして、やや顎を上げた状態で行うことがポイントです。また、肩甲骨を寄せずに行うと負荷が上腕二頭筋にばかりかかってしまうので注意してください。