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2024/03/21 05:43

 
アジアのアームレスリングメダリストである著者が、腕相撲に関する質問に答えます。
 
今回の質問は「腕相撲で重要なのは筋力かコツか?」です。
 
これについてお答えします。
 
初心者にはテクニック(コツ)が重要ですが、最終的には筋力が重要になります。
 
※本記事は英文記事「Is arm wrestling more strength or technique? | Asian medalist armwrestler explains about it」を翻訳したものです。
 

アームレスリングには「トップロール」と呼ばれるコツがある

 
アームレスリングには「トップロール」と呼ばれるテクニックがあります。
 
このコツを知っていれば、アマチュア同士の腕相撲に負けることはありません。
 
トップロールを行う方法は?
 
簡単です。
 
一言で言えば、その方法は次のとおりです。
 
ひじを支点にして、「てこの原理」で相手の指先を吊り上げます。
 
これが「あの大工道具」と同じだと気づきましたか?
 

 
それは「ハンマーの爪」、そう「くぎ抜き=ネイルプーラー」です。
 
このテクニックは、「くぎ抜き=ネイルプーラー」と同じ動きで相手の指先を持ち上げます。
 
「トップロール」は、相手の指先を吊り上げる「ネイルプーラー」と同じ動きなのです。
 
対戦相手の指先を吊り上げると、対戦相手は手や腕に力をかけることができなくなります。
 
ですから、特に初心者のうちはこのテクニックを身につけることが大切です。
 

トップロールのやり方と必要な力


筆者自身、トップロールのアームレスリング選手であったので、その理論には精通しています。


※写真はJAWA全日本マスターズアームレスリング選手権決勝でトップロールを決めて試合を制した時のものです。



トップロールという技を一言であらわすと…


肘を支点とした「テコの力」で相手の指先を吊り上げて捻り倒す技


と表現できます。ちょうど、釘抜きの要領です。


もう少し詳しく解説しましょう。


肘を支点とし、力点である背中を沈めていきます。すると作用点である手の甲は斜め後方上に移動し、これにより相手の指先は吊り上げられ、全く力の入らない状態になります。


そこからストロークを加えて相手の手の平を上向きに返し、そのまま斜め後方に引き倒します。



トップロールの一連の動作を、わかりやす再現したのがこちらの動画です。ご参照ください。


このトップロールに必要となる筋力は主に三つで、それは以下の通りです。


①ストローク力

ストローク力は「手首を入れる・曲げる力」で、腕相撲やアームレスリングに絶対的に不可欠な筋力です。

そして、大切なのは「指先からストロークする力」で、これが弱いと逆に技をかけられてしまいます。


②ヘッドの力

ヘッドの力とは手首を斜め後ろに立てる力、そして捻る力で、具体的には人差し指付け根で引っ張り上げる・回す筋力です。


この力はトップロールに無くてはならない力で、これが弱いと技を決めることができません。


③ピンチング力

ピンチング力は自分の親指と人差し指で相手の親指を掴んで離さない力です。


トップロールが決まった場合、相手は全く力が入れられない状態ですので、しっかりと相手の親指を掴んでいないと両者の手が離れてしまい、勝ち負けが決まる前に取り直しになってしまいます。


腕相撲に要求される筋肉

 
ただし、これはお互いのテクニックを知らない人同士のアームレスリングや初心者同士の腕相撲には有効です。
 
結局、技術を習得した人同士の戦いには筋力が重要です。
 
では、どの筋肉が腕相撲にとって重要なのでしょうか?
 
アームレスリングに必要な筋肉を重要度の高い順に以下に示します。
 
1.前腕の筋肉
2.上腕二頭筋
3.広背筋
4.大胸筋
5.回旋腱板
6.上腕三頭筋
 
これらの筋肉の典型的なトレーニング方法は次のとおりです。
 
1.アームレスリングハンドル、リストカールでトレーニング
 
2.アームカール、チンアップ
 
3.プルアップ、ラットマシンプルダウン
 
4.チェストプレス、チェストフライ
 
5.インターナルローテーション
 
6.トライセプスプレスダウン
 
これらのトレーニングは、ケーブルマシンまたはダンベルで行うのが最適です。
 
これは、これらの方法で行われるトレーニングは柔軟な軌道を持ち、実際の腕相撲で必要な筋肉に効果的であるためです。
 

 
そして、アームレスリングの強さの半分以上は、前腕の強さによって決定されます。
 
これらの中で最も重要なのは「腕橈骨筋」と「前腕屈筋」です。
 
これらの筋肉を効率的にトレーニングするには、アームレスリング専用の器具を使用するのが最善です。
 

 
器具については、下記リンクから各製品の詳細ページをご確認ください。
 
 

さらに詳しい解説

 
さらなるトップロールの詳細については、次の記事を参照してください。
 
 

執筆者情報

 
上岡岳|Gaku Kamioka
 
生物学学芸員|Biology Museum Curator
教育学士|Bachelor of Education
フィジカルトレーナー|Physical trainer
 
一般社団法人JAWA日本アームレスリング連盟常任理事・レフリー委員長|JAWA (Japan Arm Wrestling Association) Executive Director, Head Referee
 
Mazurenko equipment Japan CEO
 
EzrealArmwrestlingClub Japan CEO
 
ONIARM-JAPAN armwrestling equipment CEO