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2024/06/21 04:50


ディップスの細マッチョを目指すためのやり方・動作ポイントと適切な負荷回数設定について、元五輪強化指定選手で現フィジーク選手が解説します。

 

この記事の執筆・監修者

HAYATE選手

五輪種目テコンドー元強化指定選手(全日本選手権準優勝2回)

 

2023年フィジーク競技転向デビュー戦優勝

 

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本種目が効果のある筋肉部位

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本種目は主に大胸筋に効果があり、次いで上腕三頭筋にも効果的です。なお、細マッチョ体型を目指すトレーニングの場合、次の項目の基準に従って鍛える筋肉部位ごとに負荷回数設定を決める必要があります。

 

細マッチョを目指すために適切な負荷設定

細マッチョの代表格とも言えるフィジーク選手のコンテスト審査基準は、ボディービル競技と違い過度な筋肥大がNGとされている筋肉部位があり、その基準の体型が標準的な細マッチョ体型とされています。具体的には下記の一覧の通りです。

 

過剰な発達がNGとされる筋肉部位:大胸筋・上腕三頭筋・僧帽筋・下半身の筋肉

 

発達がしているほうが良い筋肉部位:広背筋・三角筋・上腕二頭筋・腹筋群

 

筋肉(骨格筋)を構成する筋繊維には以下のタイプがあり、どの程度筋肥大を狙うかで適切な負荷回数設定が異なります。

 

①筋繊維タイプ1(持久筋):鍛えてもほとんど筋肥大しない|腹筋・下半身など引き締めたい筋肉部位|20回前後の反復で鍛える

 

②筋繊維タイプ2a(弱い瞬発筋):鍛えるとやや筋肥大する|過剰な発達がNGな筋肉部位が対象|15回程度の反復で鍛える

 

③筋繊維タイプ2b(強い瞬発筋):鍛えると強く筋肥大する|筋肥大させたい筋肉部位が対象|10回程度の反復で鍛える


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本種目の細マッチョ向き負荷回数設定

本種目は、細マッチョの定義やフィジーク競技の基準を考慮し過度に発達させないように、②筋繊維タイプ2aをターゲットに15回の反復で限界がくる負荷設定で実施するのが適切です。

 

本種目のやり方

①ディップスバーをグリップし、肩甲骨を寄せて構える

 

②前傾姿勢をとり、上腕が床と平行になるまで身体を下ろす

 

③肩甲骨を寄せたまま身体を元の位置まで押し上げる

 

フィジーク選手のポイント解説

ディップスは自重トレーニングとしては非常に効果の高いトレーニングで、筆者自身、胸のトレーニング日には必ず取り入れています。特に大胸筋下部にダイレクトに刺激が入る数少ない種目で、デクラインプレス系のウエイトトレーニングよりも強く大胸筋下部を攻めることができます。


本種目は肩を痛めやすい種目ですので、その実施は正しいフォームを理解した上で行う必要があります。



その動作ポイントは2つで、①肩甲骨は寄せたまま行う、②斜め前方向へ身体を下ろし斜め後方へ身体を押し上げる、ことです。これにより、不必要な負荷が肩関節にかかってしまうことを防げます。


また、よくある間違いとして、苦しくなると顎を上げてしまいがちですが、大胸筋の収縮と首の連動性として「顎を引いた方が強く大胸筋が収縮」しますので、セット終盤で苦しい時ほど顎を引くようにしましょう。


グリップに関してはサムレスグリップをおすすめします。サムアラウンドグリップだと、支点(手の平のバー接触部分)から手首までの距離が長くなり、ぐらつきの原因になりますし、負荷が大胸筋からブレてしまう要因にもなります。ですので、サムレスグリップでバーに手を置き、体重は前腕骨で確実に支えるようにします。 


本種目のバリエーション

足つきディップス

後方に置いた台の上につま先を乗せて行うバリエーションで、ディップスが15回できない人向きの低負荷バリエーションです。また、セルフ補助で追い込むのにも活用できます。


ウエイト荷重ディップス


ディップベルトを使用し、ウエイトを追加して行うバリエーションで非常に高負荷で大胸筋下部を追い込むことができます。筆者自身は最もシンプルなバックルなしのタイプを使用しており、これだとかさばらないのでバッグに入れてジムに持っていくのに便利です。


筆者が愛用しているディップベルトはこちら


ベンチディップス 


手を体幹より後ろに置くバリエーションのベンチディップスは、特に上腕三頭筋に負荷のかかるやり方です。筆者自身は上腕三頭筋のキレを出す目的で、15~20レップスで腕のトレーニング日に取り入れています。


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