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2024/06/21 04:46


大胸筋下部の自重トレーニングとして非常に有効な筋トレ種目「ディップス」ですが、上手く効かせるためには意外とテクニックが必要です。

 

きちんとしたフォームで行わないと、「肩が痛い」「胸に効かない」「腕にばかり効く」「肩にばかり効く」ということになり、実際にそのような悩みを抱えるトレーニーも少なくありません。

 

アームレスリング元日本代表で現トレーナーの筆者が、その原因と対処法について解説します。

 

この記事の執筆者

上岡岳

 

アームレスリング元日本代表(アジア選手権3位)

 

一般社団法人JAWA日本アームレスリング連盟常任理事・レフリー委員長

 

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ディップスが効果のある筋肉部位

筋肉の名前と鍛え方|名称図鑑|部位別の筋トレ種目(ウエイトトレーニング)一覧

 

本種目は大胸筋下部を中心にして二次的に上腕三頭筋にも効果があります。正しいフォームで行った場合、三角筋に刺激は入りません。

 

ディップスの正しいフォーム


 

①ディップスバーをグリップし、肩甲骨を寄せて構える

 

②前傾姿勢をとり、上腕が床と平行になるまで身体を下ろす

 

③肩甲骨を寄せたまま身体を元の位置まで押し上げる

 

ディップスが胸に効かない原因

ディップスを実際に行う時に気をつけるべき動作ポイントは、「前傾姿勢を保ったまま動作を行うこと」です。上体が後ろに倒れた状態(または垂直)だと負荷がうまく大胸筋にかからないので注意してください。

 

そして、上半身が直立した状態だと、上腕三頭筋ばかり負荷がかかってしまします。

 

ディップスで肩が痛くなる原因

 

本種目は、肩甲骨をしっかりと寄せること(肩関節を前に出さないこと)が大切で、このフォームができていないと肩関節に強い負担がかかりますので注意してください。

 

 

肩甲骨を寄せきれていないと、広義の肩関節(胸鎖関節・肩鎖関節・肩甲胸郭関節)が後ろに引かれず、「前方に残ったまま」の状態になります。


 

そして、この状態のままだと狭義の肩関節も前方に出た状態となり、そのままディップスを実施すると肩関節に強い負荷がかかってしまいます。

 

ですので、ディップスを実施する場合は、構えてから再度しっかりと肩甲骨を寄せるイメージで体勢をつくるようにします。

 

また、身体を下ろす深さは最大で「上腕が床と平行まで」です。それ以上身体を下ろすと、どうしても肩関節に負担がかかってしまいます。

 

サムレスグリップで行う

 

ディップスを行う場合の適切なグリップはサムレスグリップ(写真下)です。一般的なグリップであるサムアラウンドグリップだと、支点(手の平のバー接触面)から手首までの距離が長くなり動作にブレが生じやすく、負荷が大胸筋以外に分散してしまう原因ともなります。

 

肩甲骨を寄せるギア

プレス系種目で大切なフォームの一つに「肩甲骨を寄せた姿勢を保つ」ことがありますが、これは肩関節が前方へ突出することを防ぎ、①大胸筋へ負荷を集中させる、②肩への余計な負担を防ぐ、という2つの意味があります。

 

肩甲骨を寄せた姿勢をとることが苦手な方は、スパインサポーターなど専用のトレーニンググッズを使用するのも一つの方法です。

 

LARA★STARスパインサポーター|肩甲骨を寄せた姿勢をつくるグッズ

 

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