2024/06/22 05:15
脊柱起立筋の筋トレ種目「バックエクステンション」の細マッチョを目指すためのやり方・動作ポイントと適切な負荷回数設定について、元五輪強化指定選手で現フィジーク選手が解説します。
この記事の執筆・監修者
HAYATE選手
五輪種目テコンドー元強化指定選手(全日本選手権準優勝2回)
2023年フィジーク競技転向デビュー戦優勝
本種目が効果のある筋肉部位
筋肉の名前と鍛え方|名称図鑑|部位別の筋トレ種目(ウエイトトレーニング)一覧
本種目は主に脊柱起立筋に効果があります。この筋肉を鍛えていくことで、具体的には下図のような、通称「クリスマスツリー」と呼ばれる凹凸が背中の下部に浮き上がるようになります。
なお、細マッチョ体型を目指すトレーニングの場合、次の項目の基準に従って鍛える筋肉部位ごとに負荷回数設定を決める必要があります。
細マッチョを目指すために適切な負荷設定
細マッチョの代表格とも言えるフィジーク選手のコンテスト審査基準は、ボディービル競技と違い過度な筋肥大がNGとされている筋肉部位があり、その基準の体型が標準的な細マッチョ体型とされています。具体的には下記の一覧の通りです。
過剰な発達がNGとされる筋肉部位:大胸筋・上腕三頭筋・僧帽筋・下半身の筋肉
発達がしているほうが良い筋肉部位:広背筋・三角筋・上腕二頭筋・腹筋群
筋肉(骨格筋)を構成する筋繊維には以下のタイプがあり、どの程度筋肥大を狙うかで適切な負荷回数設定が異なります。
①筋繊維タイプ1(持久筋):鍛えてもほとんど筋肥大しない|腹筋・下半身など引き締めたい筋肉部位|20回前後の反復で鍛える
②筋繊維タイプ2a(弱い瞬発筋):鍛えるとやや筋肥大する|過剰な発達がNGな筋肉部位が対象|15回程度の反復で鍛える
③筋繊維タイプ2b(強い瞬発筋):鍛えると強く筋肥大する|筋肥大させたい筋肉部位が対象|10回程度の反復で鍛える
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本種目の細マッチョ向き負荷回数設定
本種目は、細マッチョの定義やフィジーク競技の基準および、日常での使用頻度が高く筋繊維比率として持久筋が多き脊柱起立筋の特性を考慮し、①筋繊維タイプ1・②筋繊維タイプ2aをターゲットに15回~20回の反復で限界がくる負荷設定で実施するのが適切です。
本種目のやり方
①うつ伏せになり構える
②反動を使わずに上半身を持ち上げ、その場で静止する
③ゆっくりと効かせながら元の体勢に戻る
フィジーク選手のポイント解説
もっとも基本的なバックエクステンションは、床で行うフロアーバックエクステンションです。ただ動作を反復するのではなく、背中を反らせたポジションで一瞬静止することで、非常に良い負荷が脊柱起立筋に加わります。
また、本種目は15回~20回の反復を目標設定にして実施していきますが、回数がこなせない方は手を腰に当てて行うと強度が下がるのでやりやすいでしょう。
逆に、簡単にこなせてしまう場合は、手を前方に突き出して構えることで強度を上げることが可能です。
動画は筆者が高校生時代(全日本ジュニア強化指定選手)だった頃の体幹トレーニングの様子ですが、動画の最初では手にダンベルを持ったバックエクステンションを行っています。ご参照ください。
本種目のバリエーション
ハイパーバックエクステンション
ローマンベンチと呼ばれる専用の器具を用いて行うバリエーションで、脊柱起立筋により強い負荷を加えることができます。
バランスボールバックエクステンション
バランスボールの上に上半身を乗せて行うバリエーションで、腹筋群など体幹インナーマッスルも同時に鍛えることができます。
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