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2024/06/18 04:11


腕立て伏せの細マッチョを目指すためのやり方・動作ポイントと適切な負荷回数設定について、元五輪強化指定選手で現フィジーク選手が解説します。

 

この記事の執筆・監修者

HAYATE選手

五輪種目テコンドー元強化指定選手(全日本選手権準優勝2回)


2023年フィジーク競技転向デビュー戦優勝


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本種目が効果のある筋肉部位

筋肉の名前と鍛え方|名称図鑑|部位別の筋トレ種目(ウエイトトレーニング)一覧

 

本種目は大胸筋を中心にして三角筋・上腕三頭筋にも効果があります。なお、細マッチョ体型を目指すトレーニングの場合、次の項目の基準に従って鍛える筋肉部位ごとに負荷回数設定を決める必要があります。

 

細マッチョを目指すために適切な負荷設定

細マッチョの代表格とも言えるフィジーク選手のコンテスト審査基準は、ボディービル競技と違い過度な筋肥大がNGとされている筋肉部位があり、その基準の体型が標準的な細マッチョ体型とされています。具体的には下記の一覧の通りです。

 

過剰な発達がNGとされる筋肉部位:大胸筋・上腕三頭筋・僧帽筋・下半身の筋肉

 

発達がしているほうが良い筋肉部位:広背筋・三角筋・上腕二頭筋・腹筋群

 

筋肉(骨格筋)を構成する筋繊維には以下のタイプがあり、どの程度筋肥大を狙うかで適切な負荷回数設定が異なります。

 

①筋繊維タイプ1(持久筋):鍛えてもほとんど筋肥大しない|腹筋・下半身など引き締めたい筋肉部位|20回前後の反復で鍛える

 

②筋繊維タイプ2a(弱い瞬発筋):鍛えるとやや筋肥大する|過剰な発達がNGな筋肉部位が対象|15回程度の反復で鍛える

 

③筋繊維タイプ2b(強い瞬発筋):鍛えると強く筋肥大する|筋肥大させたい筋肉部位が対象|10回程度の反復で鍛える

 

本種目の細マッチョ向き負荷回数設定

本種目は、細マッチョの定義やフィジーク競技の基準を考慮し、過度の筋肥大を避けるために、②筋繊維タイプ2aをターゲットに15回の反復で限界がくる負荷設定で実施するのが適切です。


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本種目のやり方



①うつ伏せになり、手を肩幅より広く置き、背すじを伸ばして構える


②肩甲骨をしっかりと寄せた状態をキープしたまま上半身を下ろす

 

③肩甲骨を寄せたまま、腕を押し出して上半身を押し上げる

 

フィジーク選手のポイント解説

腕立て伏せは、とても基本的な自重トレーニングなので、ある程度トレーニング経験がある人には効果がないと考えられがちですが、全くそうとも言い切れません。

 

胸トレのウォーミングアップとしてだけでなく、スティッキングポイント(肘が90度の位置)で静止動作を組み込んだり、動作自体をとてもゆっくり行うことで(スロートレーニング)、意外と大胸筋に刺激を入れることができます。また、どうしてもジムに行けない日に行うことで大胸筋への刺激を維持することもできます。

 

フォームとして注意したいのは、肩甲骨をしっかりと寄せたまま行うことで、これにより負荷が分散せずに大胸筋にかかります。また、肩甲骨を寄せずに身体を下ろした位置でバウンド動作などをしてしまうと肩を痛める原因にもなりますので注意してください。

 

また、身体を押し上げた位置で顎を引きながらもう一押しすると、フィジーク競技で有利になる前鋸筋の発達が得られます。

 

本種目のバリエーション

細マッチョ体型・フィジーク体型を目指す場合、過度の大胸筋の発達はNGですので、15回前後の反復で限界がくるように動作スピードを調整しますが、そもそも15回の腕立て伏せができない人は低負荷のバリエーションを、どうしても15回以上できてしまう人は高負荷バリエーションを行うと良いでしょう。

 

膝つき腕立て伏せ

膝をついて構えることで、通常の腕立て伏せができない人でも実施可能な低負荷バリエーションです。

 

斜め腕立て伏せ(インクラインプッシュアップ)

台などに手をつき、上半身にかかる体重を減らした低負荷の腕立て伏せバリエーションです。

 

足上げ腕立て伏せ(デクラインプッシュアップ)

 

足を台などの上に乗せることで、上半身により多くの体重がかかるようにする腕立て伏せの高負荷バリエーションです。


片手腕立て伏せ

 

腕立て伏せ各種バリエーションのなかでも、最高強度なのが片手腕立て伏せです。筋力以外にテクニックも必要となる種目です。片手腕立て伏せを実際に行う時に気をつけるべき動作ポイントは「足を大きく開いてバランスをとること」と「足と足の中間線上に手をつくこと」です。このバランスがうまくとれていないと、片手腕立て伏せができる筋力があっても、上手く動作を行うことができません。

 

チューブ追加腕立て伏せ

 

筆者がたまに行うのが、この図のようにトレーングチューブをかけて行うバリエーションです。ゴムには漸増負荷特性(伸びるほど負荷が増える特性)があり、腕立て伏せのフィニッシュ位置で絞り込むような刺激を加えることができます。ぜひ、一度試してみてください。

 

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このほかにも、腕立て伏せには三角筋に強い負荷がかかるバリエーション、上腕三頭筋に強い負荷がかかるバリエーションなどもあります。

 

パイクプッシュアップ

 

手を前方について腰を大きく曲げることで、三角筋に集中的な負荷がかかるバリエーションです。台などの上に足を置いて行うことで、さらに負荷強度を上げることも可能です。

 

ナロープッシュアップ(ダイヤモンド腕立て伏せ)

 

手幅を狭く構えることで、負荷を上腕三頭筋に集中させられるバリエーションです。手首への過剰な負担を避けるため、親指と人差し指で菱型を作って行うことから「ダイヤモンド腕立て伏せ」とも呼ばれています。

 

今回は、さまざまな腕立て伏せをご紹介しましたが、やり方によっては意外と効果がある種目ですので、「腕立て伏せなんて初心者のすること」と馬鹿にせず、ぜひトレーニングに取り入れてみてください。

 

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