2024/06/17 05:25
参照元記事:https://www.sfphes.org/2019/09/blucemenu.html
伝説の格闘家・映画スターとしてあまりにも有名なブルース・リーですが、彼の筋トレメニューについては謎に包まれたままでした。しかしながら、没後2014年になって彼の娘さんによっていくつかのトレーニング専門雑誌に、その行っていたトレーニング種目が明らかにされました。
ウエイトを追加した自重トレーニングのBIG3=腕立て伏せ・懸垂・スクワットを中心に、各種のフリーウエイトトレーニングを組み込み、これらをサーキットトレーニング形式で行っていたとのことです。
これらのトレーニングについて、フルコンタクト空手出身で五輪種目テコンドーの元強化指定選手(全日本選手権準優勝2回)のHAYATE選手が、ブルースリーの名言をまじえつつ解説します。
※執筆監修者が強化指定選手時の実際の身体です
執筆者情報
五輪競技テコンドー2020・2021全日本メダリスト・指定強化選手
上岡颯
公式記事
【テコンドー部】第13回全日本テコンドー選手権大会で表彰台席巻(大東文化大学)
全日本テコンドー選手権・上岡選手が準優勝・伊勢出身(毎日新聞)
第13回全日本テコンドー選手権大会 結果(全日本テコンドー協会|PDF)
全日本学生選手権での動画
まずは知ることから
ブルースリーの名言に「周囲を見ろ。日々が勉強だ。自分自身を研究するんだ。」という言葉があるように、ただやみくもに身体を鍛えても強くはなりません。まずは、鍛える対象である筋肉の基礎を知りましょう。
打撃格闘技に特に重要な筋肉部位
上図は、打撃格闘技にとって特に重要となる筋肉をわかりやすく図解したものです。それぞれの筋肉の打撃格闘技における働きは次の通りです。
表層筋|アウターマッスル
胸の筋肉|大胸筋:突き(パンチ)の加速に作用します。
背中の筋肉|広背筋:突き(パンチ)の威力増幅に作用します。
肩の筋肉|三角筋:突き(パンチ)の加速に作用します。
腕の筋肉|上腕三頭筋:突き(パンチ)の加速に作用します。
腕の筋肉|上腕二頭筋:突き(パンチ)の打撃押し込みに作用します。
腕の筋肉|前腕筋群:突き(パンチ)の最終加速に作用します。
太ももの筋肉|大腿四頭筋:蹴り(キック)の威力増幅に作用します。
太ももの筋肉|ハムストリングス:蹴り(キック)の軸足安定に作用します。
お尻の筋肉|臀筋群:ハムストリングスと協働して軸足の安定に作用します。
ふくらはぎの筋肉|下腿三頭筋:全ての動作の軸足安定に作用します。
深層筋|インナーマッスル
腸腰筋群:蹴り足を上げる主働筋として作用します。
内転筋群:蹴り足のブレをなくすのに作用します。
腹筋群:蹴り(キック)の体幹での加速(捻り動作)に作用します。
脊柱起立筋:腹筋群と協働して捻り動作を作用します。
回旋筋腱板:下半身・体幹で発生した突き(パンチ)の威力を腕にロスなく伝えるために作用します。
なお、全身の主な筋肉名称と作用についての詳細な情報は、下記の筋肉解説ページをご参照ください。
筋肉の名前と鍛え方|名称図鑑|部位別の筋トレ種目(ウエイトトレーニング)一覧
ブルース・リーの考案したトレーニング
ドラゴンフラッグ
ドラゴンフラッグはブルースリー自身が発案・考案者とされる腹筋運動のなかでも最高強度を誇るトレーニング方法です。腹筋群以外にも上半身を引き寄せ固定するため、僧帽筋・広背筋・上腕二頭筋にも効果があります。
最初はできなくても蓄積努力をすれば必ずできるようになります。ブルースリーも「私が恐れるのは、1万通りの蹴りを1度ずつ練習した者ではない。たった1つの蹴りを1万回練習した者だ。」と言葉を残しています。
動画はHAYATE選手がジュニア強化指定選手時代(高校生)の時に行っていた体幹トレーニングの様子で、そのなかにはドラゴンフラッグを応用した種目も含まれています。
ブルースリーが行っていたウエイトトレーニング
長らく謎とされていたブルースリーの筋トレメニュー(ウエイトトレーニング)ですが、2014年になって彼の娘さんによっていくつかのトレーニング専門雑誌に、その行っていたトレーニング種目が明らかにされました。
ウエイトを追加した自重トレーニングのBIG3=腕立て伏せ・懸垂・スクワットを中心に、各種のフリーウエイトトレーニングを組み込み、これらをサーキットトレーニング形式で行っていたとのことです。
自重トレーニングBIG3
ウエイト追加プッシュアップ
ウエイト追加チンニング
ウエイト追加スクワット
大胸筋トレーニング
バーベルベンチプレス
背筋トレーニング
バーベルグッドモーニング
腹筋トレーニング
ドラゴンフラッグ
腕のトレーニング
バーベルカール
インクラインダンベルカール
ダンベルフレンチプレス
ダンベルキックバック
リストカール
脚のトレーニング
カーフレイズ
目標達成のために日々研鑽を
ブルースリーの名言に「自分という存在をコントロールする方法には、金庫の鍵の組み合わせと似たところがある。一度取っ手を回しただけで金庫が開くことはめったにない。一つひとつの前進、後退が目標達成へのワンステップなのである。」という言葉があります。
筋トレをして身体を鍛え、目標を達成していくためには多くの前進・後退を繰り返しつつ、それでもあきらめずに継続していく必要があります。
この言葉を胸に、日々、自己研鑽に励みたいですね。
HAYATE選手執筆・格闘技筋トレ記事