2024/05/03 05:41
筋トレをしてもなかなか三角筋が大きくならない=筋トレが三角筋に効かない理由と、肩を太くするためのフォーム改善(主に肩甲骨の使い方)について解説します。
三角筋が大きくならない理由
三角筋が大きくならない、筋トレが効かないという初心者の方に多く見られる理由が以下の二つです。
①肩甲骨を寄せながら肩のトレーニングをしている
②三角筋がオーバーワークになっている
それぞれについて解説していきます。
肩甲骨を寄せている
三角筋の起始
前部(鎖骨部):鎖骨の外側部
中部(肩峰部):肩峰
後部(肩甲棘部):肩甲棘
三角筋の停止
上腕骨三角筋粗面
三角筋は上図のように、前部は鎖骨、後部は肩甲骨から始まり上腕骨へつながっています。
このため、肩甲骨の動きと連動しやすく、三角筋の筋トレ動作中に肩甲骨を寄せながら挙上をすると、その負荷の多くは肩甲骨と接合している背中の筋肉に逃げてしまいます。
三角筋トレーニングの代表的種目であるダンベルサイドレイズを例にとると、のけぞるように肩甲骨を寄せながら動作してしまうと、ほとんどの負荷は三角筋ではなく僧帽筋に逃げてしまいます。そして、早く肩を大きくしたいと焦る気持ちから無理に重い重量設定で本種目を行い、背中にばかり効いてしまっているケースは少なくありません。
ダンベルサイドレイズの場合、図に示した青いラインのように、両手は直線を保って真横に挙げなくてはいけません。
これが、肩甲骨を寄せていると図中の赤いラインのようにやや斜め後方にダンベルが挙がってしまいます。
この「肩甲骨を寄せない意識・動作」はほぼ全ての三角筋トレーニングに共通していますので、肩のトレーニングの時はこのことを常に強く意識して動作してください。
オーバーワークになっている
もう一つ、特に初心者の方が陥りやすいケースが「そもそも三角筋がオーバーワークになっている」というものです。
三角筋は体幹の筋肉=大胸筋や広背筋に比べてとても小さな筋肉です。そして、三角筋は大胸筋や広背筋と連動性が高いため、特に筋量の少ない初心者の場合は胸や背中のトレーニングだけで、すでに三角筋は限界まで疲れてしまっています。
その状態で、肩の種目を追加で行うと、三角筋が大きくならないばかりか全く発達しない「オーバーワーク状態」に陥ってしまいます。
初心者のうちは、大胸筋や広背筋の高重量コンパウンド種目(複合関節運動)だけで十分に三角筋は筋肥大しますので、肩のトレーニングを行う必要はないくらいです。
具体的には、ベンチプレスやローイング系種目のなかで、自然と三角筋は発達していきます。三角筋の個別トレーニングを開始する目安としては中級者レベル(ベンチプレス100kg程度)になってからで十分であると言えるでしょう。