2024/04/24 06:56
ジム用だけでなく、最近では自宅トレーニング用にパワーラックを購入するトレーニーも多くなりました。
当ショップではIPF公認メーカーである株式会社ONI(鬼ブランド)のフルパワーラックとハーフラックを取り扱っており、また、当ショップ運営ジムでもパワーラックの導入の経験があります。
このような、経緯・経験を踏まえて、パワーラックの種類と使い方=筋肉部位別の主要筋トレ種目のやり方・フォームポイントについて解説します。
パワーラックとは
パワーラックとはバーベルトレーニングを安全かつ安定的に実施するための器具で、2~6本の柱から構成されるラックです。
バーベルシャフトを置く「シャフトラック」、予備のバーベルプレートを置く「プレートラック」、バーベルの身体や床への落下を防ぐ「セーフティー」などから構成されています。
また、シャフトラックとセーフティーは使用者の身長やトレーニング種目に合わせて高さを変えられるようになっています。
パワーラックの種類とオプション装備
パワーラックには大きくはフルラックとハーフラックの2種類があり、このほかにベンチプレス台にスクワットラック機能を加えたコンボラックもあります。また、オプション装備として簡易のケーブルトレーニングマシンシステムが用意されています。
なお、コンボラックはあくまでもベンチプレスが主体の器具ですので、本記事では詳細は割愛します。ご興味のある方は商品ページで詳細をご確認ください。
フルラックとハーフラックの違いとそれぞれのメリット
フルラック
フルラックは普及機種で4本、上位機種で6本の柱から構成されており、直方体構造を持つため非常に安定性と耐荷重が高いのがメリットです。
半面、空間占有率が高く、高重量なため自宅に設置するにはそれなりの広い部屋が必要になります。また、ハーフラックに比べると高価です。
ハーフラック
ハーフラックは普及機種で2本、上位機種で4本の柱から構成されており、空間占有率が低くて省スペース、フルラックに比べて重量は軽くて価格もリーズナブルと家庭用に特に向いているタイプです。
半面、安価な機種ではセーフティーの長さや強度が不足がち、2本柱タイプは安定性に欠けるというデメリットもありますので、ハーフラックを導入する場合は4本柱の上位機種タイプを選択することをおすすめします。
パワーラックで実施できるトレーニング種目
フラックとハーフラックで実施できるトレーニング種目に差異はなく、ほぼ全てのバーベルトレーニング種目が実施可能です。
商品の詳細およびオプション品については、下記のそれぞれのページでご確認ください。
それでは、ここからはパワーラックで実施可能なバーベルトレーニング種目を筋肉部位別に解説していきます。
大胸筋のバーベルトレーニング
ベンチプレス
ベンチプレスのやり方の手順
①ベンチに仰向けになり、しシャフトをグリップし、ラックアウトしてバーベルを胸の上で構える②肩甲骨を寄せたまま、シャフトを胸まで下ろす
③肩甲骨が開かないように気をつけ、シャフトを胸の上に押し上げる
ベンチプレスの種類やバリエーション
インクラインベンチプレス
デクラインスベンチプレス
デクランベンチを使い、斜め下に腕を押し出すバリエーションで、大胸筋下部に負荷がかかります。
ナローグリップベンチプレス
狭い手幅で行うバリエーションで、上腕三頭筋に負荷がかかります。
ワイドグリップベンチプレス
広い手幅で行うバリエーションで、大胸筋外側に負荷がかかります。
リバースグリップベンチプレス
バーベルベントアームプルオーバー
バーベルベントアームプルオーバーのやり方の手順
①ベンチに仰向けになり、肘を曲げて胸の上でバーベルを構える②大きく息を吸って止め、バーベルを頭の後方に下ろす
③息を止めたままバーベルを元の位置に戻す
フォームのポイント
本種目は、 高重量を扱うことを目的にするのではなく、以下に大きな動作で胸郭を拡張させるかが重要な種目です。また、呼吸を止めて胸郭を広げた状態で動作を行うことで、さらに胸郭拡張に有効性が高まります。三角筋のバーベルトレーニング
バーベルショルダープレス
バーベルショルダープレスのやり方の手順
①肩はばよりも広めにバーベルをグリップして構える②上半身を後ろに倒さないように気をつけ、肘を伸ばしてバーベルを押し上げる
③ゆっくりと効かせながら元の体勢に戻る
フォームのポイント
本種目は、 上半身を前後に倒さないようにして動作することが重要です。また、肘があまり後ろに出すぎると、肩関節に強い負担になりますので注意してください。バーベルショルダープレスの種類やバリエーション
シーテッドバーベルショルダープレス
座って行うバリエーションで、反動を使わずに確実に効かせるのに適しています。スタンディングバーベルショルダープレス
立って行うバリエーションで、強めの負荷で膝の屈伸を使ったチーティングをともなって行うのに適しています。バーベルフロントレイズ
バーベルフロントレイズのやり方の手順
①直立し、肘を伸ばしてバーベルを保持して構える②上半身を後ろに倒さないように気をつけ、腕を前に上げる
③ゆっくりと効かせながら元の体勢に戻る
バーベルフロントレイズの種類やバリエーション
ワイドグリップバーベルフロントレイズ
手幅を広くグリップして行うバリエーションで、通常のやり方よりも三角筋中部に負荷がかかります。バーベルアップライトロウ
バーベルアップライトロウのやり方の手順
①狭い手幅でバーベルをグリップして構える②肘を先行させ、肩甲骨を寄せないように気をつけてバーベルを引き上げる
③ゆっくりと効かせながら元の体勢に戻る
上腕三頭筋のバーベルトレーニング
ナローベンチプレス
ナローベンチプレスのやり方の手順
①ベンチに仰向けになり、狭い手幅でシャフトをグリップし、ラックアウトしてバーベルを胸の上で構える②肩甲骨を寄せたまま、シャフトを胸まで下ろす
③肩甲骨が開かないように気をつけ、シャフトを胸の上に押し上げる
ナローベンチプレスの種類やバリエーション
デクラインナローベンチプレス
デクラインベンチで行うバリエーションで、通常のやり方よりも大胸筋下部内側に負荷がかかります。
インクラインナローベンチプレス
インクラインベンチで行うバリエーションで、通常のやり方よりも大胸筋上部内側に負荷がかかります。
バーベルフレンチプレス
バーベルフレンチプレスのやり方の手順
①バーベルを頭の上で保持して構える②肘の位置を動かさないように気をつけ、肘を曲げてバーベルを頭の後ろに下ろす
③反動を使わないように折り返し、バーベルを元の位置まで上げる
バーベルフレンチプレスの種類やバリエーション
シーテッドバーベルフレンチプレス
座って行うバリエーションで、より確実に筋肉に効かせるのに適しています。ラインイングバーベルフレンチプレス
ベンチに仰向けになって行うバリエーションで、脇を開いても姿勢を安定感させやすいため、上腕三頭筋短頭に有効なやり方です。背中のバーベルトレーニング
バーベルデッドリフト
バーベルデッドリフトのやり方の手順
①足を肩幅程度に置き、その外側でシャフトを保持して構える②胸を張り、直立するまでシャフトを引き上げていき、引き上げたら肩甲骨をしっかりと寄せて背筋群を強く収縮させる
③ゆっくりと効かせながら元の体勢に戻る
バーベルデッドリフトの種類やバリエーション
ワイドスタンス(スモウ)デッドリフト
大きく足を開いて行うバリエーションで、下半身の筋肉にも有効な負荷がかかります。スティッフレッグドデッドリフト
膝を伸ばして行うバリエーションで、ハムストリングスを中心として下半身後ろ側に負荷がかかります。バーベルベントオーバーロウ
バーベルベントオーバーロウのやり方の手順
①バーベルを肩幅程度の手幅で握り、前傾姿勢を作って構える②肩甲骨を寄せながら、太ももに沿わせてバーベルを引いていき、引ききったポジションで肩甲骨を寄せきって背筋群を完全に収縮させる
③ゆっくりと効かせながら元の体勢に戻る
バーベルベントオーバーロウの種類やバリエーション
バーベルベンチロー
インクラインベンチにうつ伏せになって行うバリエーションで、腰に不安のある人に適しています。バーベルショルダーシュラッグ
バーベルショルダーシュラッグのやり方の手順
①直立し、肘を伸ばしてバーベルを保持して構える②肘関節や肩関節を動かさないように気をつけ、肩甲骨を寄せる動作だけでバーベルを引き上げる
③ゆっくりと効かせながら元の体勢に戻る
バーベルストレートアームプルオーバー
バーベルストレートアームプルオーバーのやり方の手順
①ベンチに仰向けになり、肘を伸ばして胸の上でバーベルを構える②大きく息を吸って止め、バーベルを頭の後方に下ろす
③息を止めたままバーベルを元の位置に戻す
バーベルグッドモーニング
バーベルグッドモーニングのやり方の手順
①首の後ろでバーベルを担ぎ、背すじを伸ばして構える②上半身を床と平行になる位置まで倒す
③反動を使わないように気をつけ、上半身を起こす
上腕二頭筋のバーベルトレーニング
バーベルカール
バーベルカールのやり方の手順
①バーベルを順手で保持して構える②肘の位置を固定し、腕を曲げてバーベルを引き上げる
③ゆっくりと元の体勢に戻る
フォームのポイント
本種目は、 肘の位置を動かさないようにすることが大切で、肘が前後してしまうと負荷が背筋群にそれてしまいますので注意してください。また、本種目は肘を曲げてバーベルを引き上げるときのコンセントリック収縮(短縮性収縮)も大切ですが、それ以上に負荷に耐えながらゆっくりと肘を伸ばすときのエキセントリック収縮(伸張性収縮)が重要です。
EZバーカール
バーベルEZバーカールのやり方の手順
①EZバーを縦持ち(手の平が向き合う向き)で保持して構える②肘の位置を固定し、腕を曲げてEZバーを持ち上げる
③ゆっくりと元の体勢に戻る
バーベルEZバーカールの種類やバリエーション
バーベルEZバーリバースカール
逆手でグリップして行うバリエーションで、上腕二頭筋長頭だけでなく前腕筋群にも負荷がかかります。プリチャーカール
バーベルプリチャーカールのやり方の手順
①カール台に上腕を固定し、バーベルを順手で保持して構える②肘の位置を固定し、腕を曲げてバーベルを引き上げる
③ゆっくりと元の体勢に戻る
フォームのポイント
本種目は、 体重移動によるチーティングをしないようにすることが大切です。このためには、足を前方に置き、踏ん張らないようにすることがフォームのポイントです。バーベルプリチャーカールの種類やバリエーション
バーベルEZバープリチャーカール
縦向き(手の平が向き合う向き)にグリップして行うバリエーションで、上腕二頭筋長頭に集中的な負荷がかかります。バーベルEZバーリバースカール
逆手(手の平が下向き)で行うバリエーションで、上腕二頭筋のほか前腕筋群にも負荷が加わります。ドラッグカール
バーベルドラッグカールのやり方の手順
①バーベルを順手で保持して構える②肘を後ろに引きながら、腕を曲げてバーベルを引き上げる
③ゆっくりと元の体勢に戻る
フォームのポイント
本種目は、 本来は肘関節の単関節運動であるカール動作を、あえて肩を動かして肘を後ろに引き込みながら腕を曲げていくバリエーションです。通常より高負荷が加えられ、さらに上腕二頭筋短頭に強い負荷が加わります。また、リストを入れず(手首を曲げず)動作を行うことで、上腕二頭筋に対する負荷が増加します。
リバースカール
バーベルリバースカールのやり方の手順
①バーベルを逆手で保持して構える②肘の位置を固定し、腕を曲げてバーベルを引き上げる
③ゆっくりと元の体勢に戻る
下半身のバーベルトレーニング
バーベルスクワット
バーベルスクワットのやり方の手順
①足を肩幅程度に開き、バーベルを首の後ろで担ぎ、背すじを伸ばして構える②膝がつま先より前に出ないように注意し、やや斜め後ろに腰を下ろす
③太ももが床と平行になるまでしゃがんだら、反動を使わずに立ち上がる
バーベルブルガリアンスクワット
バーベルブルガリアンスクワットのやり方の手順
①片足を前に、片足を後ろの台などに乗せて、胸を張り背すじを伸ばし、バーベルを首の後ろで保持して構える②前足の膝がつま先より前に出ないように気をつけ、やや斜め後ろに腰を下ろす
③前足の太ももが床と平行になるまで腰を下ろしたら、効かせたいほうの脚を主体にして立ち上がる
バーベルフロントスクワット
バーベルフロントスクワットのやり方の手順
①足を肩幅程度に開き、バーベルを胸の前で担ぎ、背すじを伸ばして構える②膝がつま先より前に出ないように注意し、やや斜め後ろに腰を下ろす
③太ももが床と平行になるまでしゃがんだら、反動を使わずに立ち上がる
バーベルフロントランジ
バーベルフロントランジのやり方の手順
①足を前後に大きく開き、胸を張り背すじを伸ばし、バーベルを首の後ろで保持して構える②前足の膝がつま先より前に出ないように気をつけ、真下に腰を下ろす
③前足の太ももが床と平行になるまで腰を下ろしたら、効かせたいほうの脚を主体にして立ち上がる
バーベルサイドランジ
バーベルサイドランジのやり方の手順
①大きく横に足を開き、バーベルを保持して構える②片側の脚を曲げ、横方向にスライドしながらしゃがむ
③伸ばしたほうの脚で引き寄せるようにして元の位置に戻り、反対側にしゃがんでいく
バーベルスティッフレッグドデッドリフト
バーベルスティッフレッグドデッドリフトのやり方の手順
①足幅を狭くし、足の外側でバーベルをグリップして構える②膝を伸ばしたまま、ハムストリングスをしっかりとストレッチさせて上半身を前に倒す
③反動を使わず折り返し、元の体勢に戻る