2024/04/22 04:44
ダンベルカールとダンベルハンマーカールは、ダンベルを保持する角度が90度違うだけですが、効果のある筋肉部位は異なります。それぞれの効果のある筋肉部位を解説するとともに、第3のダンベルカールでもあるコンセントレーションカールについても解説します。
上腕二頭筋の構造と作用
上腕二頭筋は長頭と短頭に分けられ、主に肘を曲げる作用があります。部位ごとの主な作用は以下の通りです。
長頭:肘を曲げる
短頭:肘を曲げる・前腕を回内する
また、その特性として、手の平を上に向けた状態での肘関節屈曲には上腕二頭筋短頭が、親指を上に向けた状態での肘関節屈曲には上腕二頭筋長頭が強く関与します。
ダンベルカールは短頭・ハンマーカールは長頭
このことから、端的に表現するとダンベルカールは上腕二頭筋短頭に、ハンマーカールは上腕二頭筋長頭に対して効果が高いと言えます。
上腕二頭筋長頭と連動性の高い二つの筋肉
上腕筋(musculus brachialis)
上腕筋は肘関節基部に近い場所に位置する筋肉で、体積こそ強いものの「半羽状筋」と呼ばれる収縮力の強い筋繊維構造をしており、肘関節を屈曲させる筋力として重要です。
腕橈骨筋(musculus brachioradialis)
画像引用:https://www.kenhub.com/
腕橈骨筋は前腕筋群で最大の筋肉で、手首を撓屈(親指側に立てる動作)させる作用があります。このため、親指を立てた状態で肘関節屈曲に強く関与する上腕二頭筋長頭と連動性の高い筋肉です。
ハンマーカールで鍛えられる筋肉
これらのことから、ダンベルハンマーカールで鍛えられる筋肉は、上腕二頭筋長頭・上腕筋・腕橈骨筋となります。
上腕二頭筋短頭を追い込むならコンセントレーションカール
上腕二頭筋短頭は、肘関節の屈曲以外にも手首を回内させる作用も持っています。このため、上腕二頭筋短頭を完全収縮させ追い込むためには、手首の回内動作を加えたダンベルカールの実施が必要となります。
そのために最適なのが、ダンベルコンセントレーションカールで、上図のようにフィニッシュポジションで小指が手前を向く方向にダンベルを回内回旋させることで上腕二頭筋短頭を完全収縮させることが可能です。
ダンベルカール3種目実施順
今回解説した3種目のダンベルカールを実施する順番ですが、以下のように組むのが定石です。
①ダンベルカールで上腕二頭筋全体に効かせる
②ダンベルハンマーカールで上腕二頭筋長頭を追い込む
③ダンベルコンセントレーションカールで上腕二頭筋短頭を追い込む