デッドリフトを行う場合に最適なグリップ方式(握り方)を競技目的・トレーニング目的それぞれに解説します。
本記事の技術理論の根拠となる監修者とその執筆記事
監修者:奥谷元哉|株式会社ONI 代表取締役社長
主戦績:ベンチプレス競技
2011日本ベンチプレス選手権大会74kg級3位
2014日本ベンチプレス選手権大会74kg級3位
2015年全日本ベンチプレス選手権大会74kg級3位
2018年全日本ベンチプレス選手権大会74kg級3位
2022年世界マスターズベンチプレス選手権大会M1・74kg級優勝
主戦績:パワーリフティング競技
2009年全日本パワーリフティング選手権大会75kg級優勝
2011年全日本パワーリフティング選手権大会74kg級優勝
2011年世界パワーリフティング選手権大会ベンチプレス種目別74kg級2位
2012年アジアパワーリフティング選手権大会ベンチプレス種目別74kg級1位
2017年全日本パワーリフティング選手権大会74kg級3位
参照元記事:マズレンコ製作所公式ブログ「GLINT」
指の握り方によるグリップの種類
サムアラウンドグリップ:親指と他の四本の指を向かいあわせる握り方で、競技デッドリフトではほぼこの握り方が使われます。
サムレスグリップ:親指と他の四本の指を同じ側で握り、親指も引っ掛けるようにバーベル保持に使う握り方ですが、競技デッドリフトではルールにより使用が禁止されています。
フックグリップ:親指に人差し指をかぶせてロックするようにする握り方で、強いバーベル保持力がありますが、高重量だと親指にかかる負荷が強烈に痛むため、競技デッドリフトで使う人は多くありません。
このため、競技デッドリフトではサムアラウンドグリップかフックグリップになりますが、ほとんどの選手がサムアラウンドグリップを使っています。
一方、トレーニングとしてのデッドリフトではサムレスグリップも有効ですが、握りが外れてバーベルを落としてしまうリスクもあります。ですので、サムレスグリップ+グリップ補助ギアの使用が理想的です。
握る方向によるグリップの種類
アンダーグリップ:手の平が上を向くように握るグリップのことで、サムアラウンドグリップと併用されます。デッドリフトで使われることはありません。
オーバーグリップ:手の平が下を向くように握るグリップのことで、サムアラウンドグリップも使われますが、サムレスグリップやフックグリップも組み合わせやすい握り方です。トレーニングとしてのデッドリフトではよく使われます。
ハンマーグリップ:手の平が向き合うように握るグリップのことでパラレルグリップとも呼ばれます。低~中負荷ではサムアラウンドグリップで握るのが一般的ですが、プル系高負荷トレーニングではサムレスグリップもよく使われます。デッドリフトでは使えません。
オルタネイトグリップ:片手をノーマルグリップ、片手をリバースグリップで握るやり方で、主にデッドリフト競技で使われます。競技ではサムレスグリップがルールで禁止されているため、サムアラウンドグリップまたはフックグリップで握られます。
オルタネイトグリップは、デッドリフトを行う上で最もデメリットが少ないグリップで、初心者の方にとっては違和感があるかもしれませんが、一ヶ月もすれば慣れていきます。
フックグリップの様な痛烈な痛みもなく、バーベルの回転を抑えられますので、これからデッドリフトをやってみようという方やデッドリフトの記録を伸ばしたい方は、まずオルタネイトグリップを採用してください。
参照元記事の奥谷氏の記載より抜粋
このように、競技デッドリフトではオルタネイトグリップが最適です。
トレーニングとしてのデッドリフトで、左右差が気になる場合はオーバーグリップでも構いません。
デッドリフトに最適な握り方
結論として、デッドリフトに最適なグリップ方式は以下のようになります。
競技デッドリフト:サムアラウンドグリップ+オルタネイトグリップ
トレーニングでのデッドリフト:サムレスグリップ(補助ギア使用)+オーバーグリップ
デッドリフトのグリップ補助に有効なギア
握力を完全に補助したい場合は、フックタイプのパワーグリップ・エイトストラップ・ゼロストラップになります。
強めに補助をしたい場合はリストストラップ類、軽めに補助をしたい場合はパワーグリップがそれぞれおすすめです。
握力補助ギアの種類と特徴については、下記の記事で詳細に解説していますので、そちらをご参照ください。
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