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2024/04/11 19:19


ベンチプレス競技でのリストラップの巻き方と使い方について、当ショップ提携先の株式会社ONI代表取締役社長・奥谷氏(ベンチプレス世界王者)の理論もまじえつつ解説します。


本記事の技術理論の根拠となる監修者とその執筆記事



監修者:奥谷元哉|株式会社ONI 代表取締役社長


主戦績:ベンチプレス競技
2011日本ベンチプレス選手権大会74kg級3位
2014日本ベンチプレス選手権大会74kg級3位
2015年全日本ベンチプレス選手権大会74kg級3位
2018年全日本ベンチプレス選手権大会74kg級3位
2022年世界マスターズベンチプレス選手権大会M1・74kg級優勝

主戦績:パワーリフティング競技
2009年全日本パワーリフティング選手権大会75kg級優勝
2011年全日本パワーリフティング選手権大会74kg級優勝
2011年世界パワーリフティング選手権大会ベンチプレス種目別74kg級2位
2012年アジアパワーリフティング選手権大会ベンチプレス種目別74kg級1位
2017年全日本パワーリフティング選手権大会74kg級3位

参照元記事:マズレンコ製作所公式ブログ「GLINT」

ベンチプレス競技でのリストラップの巻き方



リストラップはゴム布生地でできた「ラップ本体」、装着時に親指をかけるための「サムループ」、巻きつけたあとに固定するためのマジックテープから構成されています。



初心者の方に多く見られる間違いが、手首関節をフリーにして巻いてしまう巻き方ですが、それではリストラップの機能が全く発揮されませんので、上の写真のように、必ず手首関節を挟むようにして巻きつけます。

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なお、パワーリフティング競技においては、手の甲にかぶせてよいのは手首関節から2cmまでと規定されていますので、手の甲側に上げすぎないようにする必要があります。



こちらは、IPF世界パワーリフティング協会公認の鬼リストラップで知られる株式会社ONIによる公式動画です。リストラップの巻き方に関しては、まずはこちらの動画をご覧ください。

その巻き方は以下の通りです。

①サムループを親指に通します。

②テンションをかけながら手の甲側(外巻き)または手の平側(内巻き)に巻いていきます。

③一周目はしっかりと強く巻きます。

④60~70cmタイプの場合、2周目で強度を調整します。

⑤90~99cmタイプの場合、3周目でさらに強度を調整します。

⑥しっかりとマジックテープを止めて固定します。

⑦サムループを外して完了です。

リストラップの内巻きと外巻き



リストラップには内巻きと外巻きとがあり、それぞれの巻き方と特徴は以下の通りです。写真は、世界ベンチプレス王者の奥谷氏の実演によるものです。

①内巻き:手の平を手前に向けた状態で小指方向へ巻いていく。手首を立てた握り・真っ直ぐなグリップ(いわゆる古典的な軌道フォーム)に適している

②外巻き:手の甲を手前に向けた状態で小指方向へ巻いていく。手首を寝かした握り・八の字のグリップ(最新理論の挙上軌道)に適している。

なお、リストラップの内巻きと外巻きの使い勝手は、非常に個人差がある問題ですので、上記のスタンダードな分類にこだわらず、自分自身がもっとも使いやすくて重量が上がる巻き方向が正解と言えます。

ベンチプレス競技でのリストラップの使い方



この画像は、ベンチプレス世界王者の奥谷氏の実演によるものです。かつては、手首と前腕を床と垂直に保って挙上する軌道が教科書的なベンチプレスの挙げ方と言われていましたが、最新のベンチプレス競技理論ではこの写真のように斜めに下ろして斜めに挙げます。

このほうが、人間工学的にも理にかなっており、より高重量のベンチプレスが挙げられることは、最近のベンチプレス競技記録はこの軌道によるものがほとんどであることが証明しています。



こちらは、手首を立てて挙げるクラシカルな挙上軌道時に適した状態ですが、最新の斜め軌道挙上には全く適合しません。



斜め挙上軌道では、この写真のように手首を寝かし、バーベル重量はほぼリストラップのサポート力にあずける格好になります。

何も考えずにベンチプレスの姿勢をとってバーを握ると、手首は自然に傾きます。

そして、手首が自然に傾くので、何も考えずにベンチプレスをすると自然に斜めの軌道を描くようになります。

手首を立てろという指導をよく見かけますが、これは肩周囲の関節への負担が増大しますのであまりおすすめできません。

手首が傾いたら手首を痛めるという意見がありますが、そのためにリストラップというギアがあります。

リストラップにバーの重量をあずけるぐらいの感覚でベンチプレスを行う方がよりスムースにバーを動かすことができます。

参照元記事の奥谷氏の記載より抜粋


ベンチプレス競技用のリストラップ

(ベンチプレス用リストラップ[左]と一般筋トレ用リストラップ[右と]との強度比較)

なお、この斜め軌道挙上のためには、寝かせた手首を完全に預けることのできる、下記のような高強度ベンチプレス用リストラップが必須です。






この記事の編集者



上岡岳


アームレスリング元日本代表

ジムトレーナー・生物学学芸員

一般社団法人日本アームレスリング連盟

(常任理事・広報部長・レフェリー委員長)

主な戦績(アームレスリング)


1997三重県75kg級優勝

2000三重県85kg級優勝

2006全日本社会人選手権85kg超級2位

2007アジア選手権85kg級5位

2011全日本マスターズ80kg超級2位

2011アジア選手権マスターズ90kg級3位

2014全日本マスターズ90kg級3位

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