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2024/04/09 13:37


ベンチプレス100kgは筋トレ初心者がまず目指す重量であり、一つの壁です。もちろん、ベンチプレスに必要な基礎筋力をつけていくことは長い視点で考えると重要ですが、それよりも理論的にもっとも「楽に高重量が挙げられる」パワーリフティング競技での挙上フォーム・挙上軌道を習得することが近道です。

一般的なトレーニングの世界においては、ベンチプレス100kgは周りから一目置かれるようなことですが、パワーリフティング・ベンチプレス競技の世界では初心者から初めて早ければ数か月で突破する「初心者卒業の通過点」でしかありません。

当ショップで正規販売しているIPF世界パワーリフティング協会公認品メーカーである「株式会社ONI社長・2022年世界マスターズベンチプレス選手権大会チャンピオン」である奥谷元哉氏の理論をまじえつつ、最短でベンチプレス100kgの壁を突破するメソッドをご紹介します。

本記事の技術理論の根拠となる監修者とその執筆記事



監修者:奥谷元哉|株式会社ONI 代表取締役社長


主戦績:ベンチプレス競技
2011日本ベンチプレス選手権大会74kg級3位
2014日本ベンチプレス選手権大会74kg級3位
2015年全日本ベンチプレス選手権大会74kg級3位
2018年全日本ベンチプレス選手権大会74kg級3位
2022年世界マスターズベンチプレス選手権大会M1・74kg級優勝

主戦績:パワーリフティング競技
2009年全日本パワーリフティング選手権大会75kg級優勝
2011年全日本パワーリフティング選手権大会74kg級優勝
2011年世界パワーリフティング選手権大会ベンチプレス種目別74kg級2位
2012年アジアパワーリフティング選手権大会ベンチプレス種目別74kg級1位
2017年全日本パワーリフティング選手権大会74kg級3位

参照元記事:マズレンコ製作所公式ブログ「GLINT」

ベンチプレス100kg挙上の基礎的な考え方



ベンチプレスには数多くの筋肉が動員されますが、なかでも重要なのは大胸筋・三角筋・上腕三頭筋のいわゆる「上半身の押す動作の筋肉」です。これらを鍛えて基礎筋力をつけていけば、いずれはベンチプレス100kgは挙げられますが、それではかなりの遠回りです。



ベンチプレスの動作自体は非常に特殊なものになります。

そのため、ベンチプレスを強くするためのやり方で、もっとも重要になってくるのがベンチプレスの動作自体に適応するということになります。

初心者がずっと初心者(男性で100kg未満のベンチプレス挙上重量)であり続けるのは、この動作適応に対する意識があまりないためです。

ベンチプレス初心者が基礎筋力をつけるためにもっとも良い方法は、ずばりベンチプレスのトレーニング量および頻度を増やすことです。

一般男性にとってベンチプレス100kg未満の重量帯というのは、筋肉にとっても関節にとってもそれほど大きな負担とはなりません。

頻度を圧縮し人体が動作を忘れる前にもう一度行う方が、超回復を待つ方法よりも比較的早く伸びていくことが可能です。

具体的にベンチプレスを伸ばすための最も効果的な種目はベンチプレスです。

参照元記事の奥谷氏の記載より抜粋

このように、ベンチプレスの重量を伸ばして手っ取り早く100kgの壁を突破するためには、他のことはせずに、ひたすらベンチプレスだけを高頻度でやっていけばよいのです。

ベンチプレスの競技フォームの習得



この画像は、実際に奥谷氏実演によるベンチプレス競技での挙上フォーム・挙上軌道を再現したものです。

筋トレとしてのベンチプレスでは、「バーベルを垂直にした前腕骨で支え、垂直に下ろして垂直に挙げる」というのが教科書的な動作になりますが、実はそれは人間工学的に全く非効率な挙上方法です。そして、この教科書的フォームでベンチプレス100kgを挙げるためには、かなりの筋量と筋力が必要となってきます。

パワーリフティング・ベンチプレス競技は「筋肉をつけること」が目的ではなく、「重いベンチプレスを挙げること」が目的ですので、もっとも楽な軌道でベンチプレス試技を行いますが、それが上の写真のような「斜めに下ろして斜めに挙げる軌道」なのです。



競技フォームでの挙上でもっとも重要なポイントは手首ですが、上の写真は一般的な筋トレフォームにおける手首=垂直に立てて維持する状態です。

もちろん、これでは斜めに下ろすことも斜めに挙げることもできません。




そして、こちらが斜め軌道ベンチプレスでの手首の状態です。手首が自然に寝た状態でほとんどの負荷はリストラップに預けています。



何も考えずにベンチプレスの姿勢をとってバーを握ると、手首は自然に傾きます。

そして、手首が自然に傾くので、何も考えずにベンチプレスをすると自然に斜めの軌道を描くようになります。

手首を立てろという指導をよく見かけますが、これは肩周囲の関節への負担が増大しますのであまりおすすめできません。

手首が傾いたら手首を痛めるという意見がありますが、そのためにリストラップというギアがあります。

リストラップにバーの重量をあずけるぐらいの感覚でベンチプレスを行う方がよりスムースにバーを動かすことができます。

参照元記事の奥谷氏の記載より抜粋

ベンチプレス100kgに最短で到達するプログラム



冒頭での奥谷氏の理論でもありましたが、ベンチプレスを挙げるための最良のトレーニングはベンチプレスです。また、100kg程度の負荷であれば、それほど筋肉・関節に大きな負担はかかりません。

ですので、他のトレーニングはせずに数か月間はひたすらベンチプレスだけを行います。

具体的には1セット10回で10セットを数週間続けます。

重量設定は10回挙げられるギリギリの重量です。

ベンチプレス初心者の方は、セットを追うごとに10回⇒9回⇒8回⇒7回⇒6回と反復回数が下がっていきます。

これは、ベンチプレスの挙上フォームができていないので、無駄に筋力を使ってどんどん疲弊していくからなのです。

実際、ベンチプレスの競技選手は10回挙上できる重量であれば、1セット目も5セット目も10セット目も10回挙げます。

これは、ベンチプレスの挙上フォームが出来上がっているため、無駄に筋力を疲弊しないからなのです。



メニューとしてはベンチプレス10回10セットがおすすめです。

この練習方法はセット毎の数を揃えることに主眼を置いています。

初心者の方は10回→8回→7回→5回と回数が下がってしまうのではないでしょうか?

これはフォームのロスが大きいためです。

10回10セットが一度でも達成できるとフォーム精度が改善されますので、10回10セットを必ず完遂するまで使用重量を上げないことが大切です。

インターバルも5~10分と長めで構いません。これを行うことにより、動作適応・集中力増大・筋肥大および人としての基礎が強くなります。

あれこれやるよりまずこの10回10セットのトレーニングを週3~4回二週以上完遂させてください。

参照元記事の奥谷氏の記載より抜粋

そして、10回10セットがてきるようになったら、次は8回10セットができるようになるまで、またひたすらベンチプレス練習を週3~4回行います。

次は6回10セット、その次は5回10セット、これらが完遂できるまでひたすらベンチプレスだけを行っていきます。

5回10セットができるようになったら、また10回10セットに戻りますが、使用重量は前の10回10セットプログラムのときよりも重くします。そして、また8回10セット・6回10セット・5回10セット、重量を上げてまた10回10セットとひたすらにベンチプレスだけを実施していきます。

このようにして、10回8回6回5回それぞれ10セットサイクルを何度も繰り返していくうちに、ベンチプレス100kg1回は簡単に挙がるようになります。

なお、ベンチプレス100kg到達のためにはグリップ方法やブリッジのやり方など、まだまだ多くの要素とフォームの習得が必要です。それらの詳細は、本記事の参照元である下記記事で詳しく解説しています。


競技ベンチプレスに必須の高強度リストラップ


ベンチプレスの競技軌道フォームでは、必ずそのために設計された高強度リストラップが必要になります。

以下に、当ショップで取り扱っている高強度リストラップをご紹介しておきます。


ベンチプレス用のリストラップ






この記事の編集者


上岡岳


アームレスリング元日本代表

ジムトレーナー・生物学学芸員

一般社団法人日本アームレスリング連盟

(常任理事・広報部長・レフェリー委員長)

主な戦績(アームレスリング)


1997三重県75kg級優勝

2000三重県85kg級優勝

2006全日本社会人選手権85kg超級2位

2007アジア選手権85kg級5位

2011全日本マスターズ80kg超級2位

2011アジア選手権マスターズ90kg級3位

2014全日本マスターズ90kg級3位

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