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2024/04/03 18:00


腕相撲の構えにおいて重要なポイント、肘の位置(肩の固定)と肘の角度(肘の固定)について、アームレスリング元日本代表選手の筆者が解説します。

肘の位置(肩の固定)



まず、肘の位置ですが、肘は必ず肩よりも内側に構えます。肩よりも外側に肘を置くと、腕だけが浮いた状態になるので全身の力を伝えることができなくなります。



アームレスリングは力比べというよりは、打撃戦に近い競技で、軸足の踏み込みで発生した初動の力をできるだけロスのないように手に伝える必要がありますが、このスタート打撃をロスしやすい2大ポイントが肩と肘です。このため、肩の固定(肘の位置)は非常に重要です。

腕相撲(アームレスリング)の二つの技と肘の位置



腕相撲には主に二つの技があり、それはトップロール(吊り手)とフック(噛み手)です。それぞれの模範的な動画を置いておきますので、まずはそちらをご覧ください。



トップロールは肘を支点にして相手の指先を吊り上げ、そのまま斜め後方に捻り倒す技です。

初動でやや外回りの円運動をとることがありますので、回転させやすいように肘はできるだけ内側(ほぼへその前)に置きます。



フックはスタートと同時に横方向に相手の手首を押し込んで下敷きにしながら手首を巻き込んで言う技です。このため、トップロールの時よりもやや外側に肘を置くことで加速がしやすくなります。

肩を固定する筋肉



肩を固定する筋肉は主に、胸の筋肉大胸筋・背中の筋肉広背筋・腕の筋肉上腕三頭筋長頭・肩甲骨のインナーマッスルである回旋筋腱板(ローテーターカフ)です。特に腕のブレを止めるためにはローテーターカフのトレニングが重要になります。



肘の角度は90度



トップロールを使うにしても、フックを使うにしても、肘を支点にしてテコの原理で動作することに変わりはありません。



そして、テコの原理を使うにあたって最適な肘の角度は90度前後です。なぜならば、一番腕に力が入る角度は90度なので最も効率が良い=スタートでロスしないからです。

なお、技の特性上、トップロールでは肘は90度よりほんの少し広く、フックでは逆にほんの少し狭くするのが定石です。



なお、腕相撲で肘の角度を固定するための筋収縮は等尺性収縮(アイソメトリック収縮)です。

腕を積極的に曲げる短縮性収縮が重要に思われがちですが、トレーニングでも肘の角度を90度に固定して荷重をかけ、その状態で耐えて等尺性収縮を鍛えるのがアームレスリングの鍛え方の基本です。

さらに詳しい腕相撲の情報



さらなる腕相撲の詳細については、次の記事を参照してください。


執筆者情報



上岡岳|Gaku Kamioka

生物学学芸員|Biology Museum Curator
教育学士|Bachelor of Education
フィジカルトレーナー|Physical trainer

一般社団法人JAWA日本アームレスリング連盟常任理事・レフリー委員長|JAWA (Japan Arm Wrestling Association) Executive Director, Head Referee

Mazurenko equipment Japan CEO

EzrealArmwrestlingClub Japan CEO