2024/04/03 10:48
ボディービルダーは腕相撲が弱いと言われますが、これは本当でしょうか。また、そうだとしたら原因は何でしょうか。
アジアのメダリストであるアームレスリング選手の筆者が、腕相撲に関する質問に答えます。
今回の質問の答えは「例外もあるがだいたいその通り」です。
その理由は、ボディービルダーの人はある理由からアームレスリングに一番重要な筋肉をあまり鍛えないからです。
腕相撲で一番重要な筋肉
腕相撲には上半身の多くの筋肉が必要ですが、圧倒的に一番大事なのは前腕筋群の強さです。このため腕相撲(アームレスリング)は「前腕のスポーツ」と呼ばれることもあります。
腕相撲に必要な筋肉を重要度の高い順に以下に示します。
1.前腕の筋肉
2.上腕二頭筋
3.広背筋
4.大胸筋
5.回旋腱板
6.上腕三頭筋
つまり、「腕相撲が強い」=「前腕の筋力が強い」と言えます。
ボディービルダーはあまり前腕を鍛えない
ボディービルディングは全身の筋肉のバランスを競う要素が大きい競技で、前腕が太くなると上腕が細く見えるため多くのボディービルダーは前腕を鍛えません。一方、アームレスリング選手は筋量が増えると体重階級が上がってしまって不利になるので、見栄えのする筋肉よりもひたすら前腕のトレーニングをします。
この動画は、筋骨隆々の重量級ボディービルダーと中量級のアームレスラーのエキシビションマッチですが、ボディービルダーは全く歯が立ちません。
それは、前腕の鍛え方がまるで違うことが理由で、決してボディービルダーが力が弱いわけではありません。おそらく、ベンチプレスやデッドリフトの重量で競うと、アームレスラーはボディービルダーに全く歯が立たないでしょう。
ボディービルダーはテクニックを知らない
当たり前のことですが、ボディービルダーとして成功するために腕相撲(アームレスリング)のテクニックを知る必要はありません。ですので、彼らはテクニックを知らず、ただ力任せに腕相撲をするので勝てないだけです。
腕相撲(アームレスリング)には「吊り手|トップロール」と呼ばれる技があり、これを使うと自分より力の強い素人に負けることはありません。
そのやり方は簡単です。
一言で言えば、その方法は次のとおりです。
ひじを支点にして、「てこの原理」で相手の指先を吊り上げます。
これが「あの大工道具」と同じだと気づきましたか?
それは「ハンマーの爪」、そう「くぎ抜き」です。
「くぎ抜き」と同じ動きで相手の指先を吊り上げるのです。
「トップロール」は、相手の指先を持ち吊り上げる「くぎ抜き」と同じ動きで、対戦相手の指先を吊り上げると、対戦相手はもはや手や腕に力をかけることができなくなります。
後は、捻って(ロールして)倒すだけです。
こんな技を使われたら、ボディービルダーだけでなく、ほとんどの力自慢のパワースポーツ選手でも勝つことは無理でしょう。
トップロール強化に有効な器具
さらに詳しい解説
さらなるトップロールの詳細については、次の記事を参照してください。
執筆者情報
上岡岳|Gaku Kamioka
生物学学芸員|Biology Museum Curator
教育学士|Bachelor of Education
フィジカルトレーナー|Physical trainer
一般社団法人JAWA日本アームレスリング連盟常任理事・レフリー委員長|JAWA (Japan Arm Wrestling Association) Executive Director, Head Referee
Mazurenko equipment Japan CEO
EzrealArmwrestlingClub Japan CEO
ONIARM-JAPAN armwrestling equipment CEO