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2024/04/03 05:13


腕相撲(アームレスリング)でもっとも大切な要素の一つに「親指の壁」という概念があります。

その意味を解説するとともに、具体的な鍛え方と有効なトレーニング器具をご紹介します。

親指の壁とは



ここに腕相撲(アームレスリング)をしている選手(左:ブルー選手・右:イエロー選手)の写真があります。

この状態はどちらに有利不利でもなく、拮抗しているニュートラルな状態ですが、それは両者の親指の壁が全く倒れていないからです。

写真に両者の親指の壁の状態と、それぞれの選手が倒すべき方向を書き込みました。

ここから、双方が相手を倒すためにはトップロール(吊り手)を仕掛けるか、フック(噛み手)を仕掛けるかして自分に有利にしていく必要がありますが、どちらの技を使ったとしても最終的には相手の親指の壁を倒さないと相手を完全に倒すことはできません。

「親指の壁を倒す」をもっとわかりやすく言えば、「相手の手の平を上に向ける」と言っても問題ないでしょう。

腕相撲(アームレスリング)の二つの技



アームレスリングには主に二つの技があり、それは先に述べたトップロールとフックです。

トップロールと親指の壁



「トップロールの動作軌道」は、以下の3つの動作を円運動で行います。

①相手の指先を吊り上げる

②相手の拳を引きつける

③自分の拳を転がす(ロール)



そして、実際に相手の親指の壁を倒すのは、最終段階である「③自分の拳を転がす(ロール)」ことにより行います。

上の写真は右側の選手が最終段階のロールを決めて勝つ直前の状態です。


フックと親指の壁



「フックの動作軌道」は、以下の3つの動作を円運動で行います。

①手首を巻きつける 

②手前に引きつける 

③横方向に押し倒す



そして、実際に相手の親指の壁を倒すのは、最終段階である「③横方向に押し倒す」ことにより行います。

上の写真は、右側の選手が相手を倒しにいっているところですが、相手の親指の壁が完全に生きているため倒せていない状態です。

拳の高さで言えば、一見不利に見える左側の選手のほうが上をとっているので、おそらくここから相手の親指の壁を倒して逆転勝利したと思われます。

親指の壁の鍛え方



こちらの画像は、手首の動作方向を示したものですが、親指の壁と自身の手首の動きの関係は以下のようになる。

相手の親指の壁を倒す=回内させる

相手に親指の壁を倒される=回外してしまう

つまり相手を倒す・相手に倒されないためには回内力を鍛える必要があるのです。

親指の壁(回内力)を鍛えるトレーニング器具



親指の壁を鍛える=回内力を鍛えるための専用のトレーニング器具にはいくつか種類があります。

写真は最新のHeavyArm製のサムハンドルで、図の矢印の方向に倒す動作を繰り返して鍛えていきます。



このほかにも、回内力を鍛えるための専用トレーニング器具が各社から発売されていますので、以下に一覧でご紹介します。







さらに詳しい腕相撲の情報



さらなる腕相撲の詳細については、次の記事を参照してください。


執筆者情報



上岡岳|Gaku Kamioka

生物学学芸員|Biology Museum Curator
教育学士|Bachelor of Education
フィジカルトレーナー|Physical trainer

一般社団法人JAWA日本アームレスリング連盟常任理事・レフリー委員長|JAWA (Japan Arm Wrestling Association) Executive Director, Head Referee

Mazurenko equipment Japan CEO

EzrealArmwrestlingClub Japan CEO

ONIARM-JAPAN armwrestling equipment CEO