2026/03/22 05:02
ダンベルプレスを続けていると、今使っている重量ならダンベルフライでは何kgくらいが妥当なのか気になる人は多いはずです。
ただし、この2種目は同じ胸の種目でも性質がかなり違います。ダンベルプレスは押す動作の中で比較的高重量を扱いやすい一方、ダンベルフライは胸を開いて閉じる動作で、大胸筋の伸張と収縮が主体の種目です。そのため、プレスの感覚のままフライの重量を決めると重すぎることが多く、肩や肘に無理が出やすくなります。
この記事では、ダンベルプレスの使用重量をもとに、ダンベルフライへ移るときの無理のない考え方を解説します。換算表は目安として使い、最後はフォームと効き方で調整してください。
ダンベルプレスとダンベルフライは同じ重量感覚で考えないほうがいい

ダンベルプレスは、大胸筋だけでなく三角筋前部や上腕三頭筋も強く使いながら押し上げる種目です。そのため、比較的高重量を扱いやすい特徴があります。

一方でダンベルフライは、肘の曲げ伸ばしで押すのではなく、胸を大きく開いて閉じる軌道の中で大胸筋を狙う種目です。関節への負担も出やすく、てこの不利も大きいため、普通はダンベルプレスよりかなり軽い重量で行います。
この違いを無視して重量を決めると、可動域が浅くなったり、胸より肩前に負担が逃げたりしやすくなります。ダンベルフライは、見た目の重量よりも、胸をしっかり伸ばしてしっかり閉じられるかどうかを優先したほうが実用的です。
ダンベルプレスから換算するダンベルフライの目安

ダンベルフライの重量は、一般的にはダンベルプレスの片手重量に対して50%前後から70%前後が一つの目安になります。
たとえば、片手20kgのダンベルプレスを行っているなら、ダンベルフライでは片手10kgから14kg前後が現実的な範囲です。もちろん、肩の柔軟性やフォームの丁寧さによって適正値は変わりますが、最初から高く見積もるより、少し軽めから始めたほうが安全です。
特にダンベルフライは、下ろした位置での伸張負荷が大きい種目です。トップで持てるかどうかではなく、最下点まで無理なくコントロールできるかどうかで判断してください。
ダンベルプレス→ダンベルフライ換算表
以下の換算表は、ダンベルプレスの片手重量を基準にした目安です。

ダンベルフライは関節負担が出やすいため、実際の重量設定では端数を無理に切り上げず、無理のない側に合わせて考えるのがおすすめです。
換算表は出発点であり最後はフォームで決める

この換算表は便利ですが、あくまで出発点です。実際には、丁寧なフォームで反復できるかどうかで最終判断してください。
ボトムで肩前に強い違和感が出る場合は重すぎます。逆に、胸の伸びが弱く、軽すぎて負荷が抜ける場合は少し重量を上げても構いません。ただし、ダンベルフライは高重量になるほどフォームの乱れを筋力でごまかしやすくなるため、重量だけを追わないことが大切です。
また、肘の角度を保てず、途中から押す動作に近くなってしまう場合も重すぎる可能性があります。ダンベルフライは、フライとしての軌道を保てる範囲で行うことに意味があります。
ダンベルフライで無理をしないほうがいい理由

ダンベルフライは、大胸筋を大きく伸ばせる優秀な種目です。その反面、無理に重くすると肩関節前面にストレスが集中しやすくなります。
そのため、ダンベルプレスの数字に引っ張られて見栄を張る意味はありません。重量を少し下げてでも、大胸筋が開いて閉じる感覚を安定して取れるほうが、筋肥大やフォーム習得の面では実用的です。
フライは高重量を競う種目ではなく、大胸筋に狙って負荷を乗せるための種目です。無理なくコントロールできる重量を選ぶことが、結果として一番効率のいいやり方です。
ダンベルフライのやり方

ダンベルフライのやり方の手順
①ベンチに仰向けになり、胸の上で肘を伸ばしダンベルを構える
②肩甲骨を寄せ、肘を伸ばしたまま腕を開き、ダンベルをできるだけ深く下ろす
③肩甲骨が開かないように気をつけ、腕を胸の上で閉じる
フォームのポイント
本種目は、肩甲骨をしっかりと寄せたまま動作を行うことが大切です。
肩甲骨を寄せずに動作を行うと、負荷が大胸筋ではなく三角筋にかかってしまうので注意してください。
動画付き解説記事
記事執筆者

上岡岳|アームレスリング元日本代表・アジア選手権メダリスト・トレーナー・生物学学芸員・生物学および筋力トレーニングの専門家としてFutamiTCでの指導実績に基づき記事執筆|プロフィールはこちら
上岡颯|五輪競技テコンドー元JOC強化指定選手・全日本選手権準優勝2回・現フィジーク選手・競技力向上の専門家として競技実績に基づき記事執筆|プロフィールはこちら

上岡岳|アームレスリング元日本代表・アジア選手権メダリスト・トレーナー・生物学学芸員・生物学および筋力トレーニングの専門家としてFutamiTCでの指導実績に基づき記事執筆|プロフィールはこちら
上岡颯|五輪競技テコンドー元JOC強化指定選手・全日本選手権準優勝2回・現フィジーク選手・競技力向上の専門家として競技実績に基づき記事執筆|プロフィールはこちら
ダンベルプレスとベンチプレス
ダンベルプレスのやり方

ダンベルプレスのやり方の手順
①ベンチに仰向けになり、胸の上で肘を伸ばしダンベルを構える
②肩甲骨を寄せたまま、ダンベルをできるだけ深く下ろす
③肩甲骨が開かないように気をつけ、ダンベルを胸の上に押し上げる
フォームのポイント
本種目は、肩甲骨をしっかりと寄せたまま動作を行うことが大切です。
肩甲骨を寄せずに動作を行うと、負荷が大胸筋にかからず三角筋にかかってしまうので注意してください。
ベンチプレスのやり方(世界王者執筆記事)
記事の執筆者

監修者:奥谷元哉|株式会社ONI 代表取締役社長
奥谷元哉氏プロフィール
武器屋.net トレーニング用品セレクトショップ
主戦績:ベンチプレス競技
2011日本ベンチプレス選手権大会74kg級3位
2014日本ベンチプレス選手権大会74kg級3位
2015年全日本ベンチプレス選手権大会74kg級3位
2018年全日本ベンチプレス選手権大会74kg級3位
2022年世界マスターズベンチプレス選手権大会M1・74kg級優勝
主戦績:パワーリフティング競技
2009年全日本パワーリフティング選手権大会75kg級優勝
2011年全日本パワーリフティング選手権大会74kg級優勝
2011年世界パワーリフティング選手権大会ベンチプレス種目別74kg級2位
2012年アジアパワーリフティング選手権大会ベンチプレス種目別74kg級1位
2017年全日本パワーリフティング選手権大会74kg級3位

