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2026/03/12 06:36



筋トレをして、アームカールなど「筋トレ的な筋力が強くなる」と腕相撲にも勝てる気がしますが、実は全く勝てなかったりします。

その理由を、アームレスリング元日本代表・アジアメダリストの筆者が解説していきます。

この記事の執筆者


アームレスリング主戦績
全日本マスターズ80kg超級2位
アジア選手権マスターズ90kg級3位
博物館学芸員(J-Global掲載ページ)
一般社団法人JAWA日本アームレスリング連盟・常任理事・審判長

まずはボディビルダー対アームレスラーの試合を考察


まずは、こちらのボディビルダー(左側)とアームレスラー(右側)のエキシビションマッチをご覧ください。

筋力(短縮性収縮|コンセントリック収縮)は筋肉の断面積に比例しますので、アームカールなど筋トレ種目的な力の強さは、ボディビルダーのほうがかなり上だと推測されます。

が、実際にはアームレスラーに完全に受けられ、全く勝負になっていません。なぜ、このような事が起こるのでしょう?

原因=筋トレが強くても腕相撲に勝てない理由、を分解して解説していきます。

理由①:テクニックの差


実は、見る人が見れば一目瞭然なのですが、このエキシビションマッチでは、アームレスラーは「トップロール」と呼ばれる、「相手の指先一点を攻めるテクニック」を使っています。

どんなに力が強いボディービルダーでも「指先の力VS相手の前身の力」の戦いに持ち込まれているで、歯が立つわけがありません。

なお、トップロールのやり方については当ショップ公式ブログの下記の専門記事で詳しく解説しています。

トップロールのやり方解説



理由②:前腕の筋力の差


動画をもう一度見てください。

腕が太いのはボディビルダーですが、その腕とは二の腕(上腕二頭筋と上腕三頭筋)です。つい、腕の太さを比べる時は二の腕を見てしまいがちですが、腕相撲やアームレスリングで絶対的に必要なのはリストの強さ=前腕の太さです。

その意識で見てみると、実はアームレスラーのほうが前腕が太いのがおわかりいただけます。


アームレスリングは「前腕のスポーツ」と言われるほど、リストの強さが絶対的な基準となる競技なのです。

なお、アームレスリングに使う技ごとに必要になってくる前腕の筋力・筋肉部位と鍛え方は、下記の専門記事で詳しく解説しています。

腕相撲に必要なリストの強さ

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理由③:全身の力か腕の力かの差


アームレスリングや腕相撲で勝つための最低条件は「腕を動かさない」「肘の角度も動かさない」ことです。

意外に感じるかもしれませんが、アームレスラーは上手のように体の中心に肘を胸の筋肉と背中の筋肉の両方を使って固定し、さらに肘の角度も90度に固定したまま戦います。

相手を倒す時は、腕はいっさい動かさず、身体を倒していきます。

最初の動画を見ると、ボディビルダーのほうは体と腕の位置関係・肘の角度が動いているのがわかります。

腕の位置または肘の角度のどちらかが崩れた時点で、全身の力ではなく腕だけの力になってしまいます。


そして、アームレスラーのように、上半身を一切動かさないまま戦うために必要な筋力は、そもそも筋トレで鍛えている筋力とは別物です。

アームカールで例えると、筋トレで鍛える筋力は、「①膝を曲げてウエイトを挙げる短縮性収縮(コンセントリック収縮)」と「②ウエイトに耐えながら下す伸張性収縮(エキセントリック収縮)」の二つです。

しかし、腕相撲やアームレスリングにこの筋力は必要ありません。

なぜなら、肘の角度は固定したままだからです。

このように、関節の角度を一定に保ち続ける筋肉の収縮を「等尺性収縮(アイソメトリック収縮)」と言い、具体的には「アームカールで肘の角度90度の位置をキープし続けるトレーニング」でのみ鍛えられます。

詳しい鍛え方は、下記の専門記事をご参照ください。



腕相撲に勝つための近道=トップロールを覚える


腕相撲で勝ちたい!

身体を鍛えている人なら必ず思うことです。そして、そのための近道は「トップロールを覚える」+「トップロールに必要な筋肉を鍛える」ことです。

下記の記事では、筆者が日本代表になり、アジア選手権でメダルを獲るまで使い続けた「トップロールを一撃で決めるテクニック」について解説しています。


また、アームレスリングのテクニック全般について詳しく解説しているのが下記の専門ページです。