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2024/05/01 20:11



ダンベルカールやバーベルカールなど、いわゆるアームカール系種目で手首が痛くなる悩みを持つ人は少なくありません。


その原因と対処法を、長年にわたりアームカールをやり続けてきた筆者(アームレスリング元日本代表)が解説します。


この記事の執筆者

上岡岳
 
 
アームレスリング元日本代表
ジムトレーナー・生物学学芸員
一般社団法人日本アームレスリング連盟
(常任理事・広報部長・レフェリー委員長)
 
主な戦績(アームレスリング)
 
1997三重県75kg級優勝
2000三重県85kg級優勝
2006全日本社会人選手権85kg超級2位
2007アジア選手権85kg級5位
2011全日本マスターズ80kg超級2位
2011アジア選手権マスターズ90kg級3位
2014全日本マスターズ90kg級3位
 

薬指と小指を強く握りすぎている


筆者も若い頃はアームカールによる手首の痛みに悩まされ続けてきました。しかし、アームレスラーとして週に2~3回はアームカール系トレーニングをしないわけにはいけないので、サポーターを巻いたり色々と試行錯誤しました。


そして、ある時、根本的なことに気づきました。


アームカールで手首が痛くなるのは、十中八九は尺骨側、つまり手首関節の小指側です。


実は、この原因は、親指〜中指にかけての力の強い指ではなく、力の弱い薬指と小指で強く握りすぎていることが原因です。


特に手幅を広くして上腕二頭筋短頭を追い込むようなアームカールトレーニングでは上腕二頭筋はやや内向きに収縮するため、薬指や小指を強くグリップしていると手首のねじれにより尺骨側の関節に強い負荷がかかってしまうのです。


上腕二頭筋は真っ直ぐ収縮しない


もう少し、わかりやすく解説します。


この図は、上腕二頭筋の二つの部位、つまり長頭と短頭の収縮方向を示したものです。短頭はやや外から内に向けて斜め方向に収縮し、長頭はやや内から外に向けて斜め方向に収縮します。


そして、この時に全ての指を強くグリップしていると手首は直線であるシャフトに従い、直線方向に上がるので、結果として手首がねじれてしまうのです。


そこで、以下のようなグリップ方法に変えてみました。


アームカールで手首が痛くならない握り方

 

写真はわかりやすくするために大げさにしていますが、薬指と小指は基本的に握らない(ほぼ添えているだけ)、中指もそれほど強くは握らない、親指と人差し指のピンチ力でバーベルやダンベルを保持するのが対処法です。


これは、ダンベルでもバーベルでも同じことで、ノーマルグリップでもハンマーグリップでも同様です。


このように、外側の指を強く握らず、アームカール動作による手首のねじれは手の平のなかでシャフトを浮かせるようにして逃がすことで、手首の痛みはすっかりとなくなります。


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