2024/03/24 19:20
腕相撲(アームレスリング)の吊り手(トップロール)を決められてしまうと、自分よりも力の弱い相手にも簡単に負けてしまうので、悔しい思いをしたことのある方も少なくないでしょう。
そんなトップロール対策と最適なトレーニング器具を、アームレスリング元日本代表でアジアメダリスト、そして現役時代はトップローラーだった筆者が解説します。トップロール選手だっただけに、何をやられると嫌か、身に染みてわかっています。
トップロールとはどんな技?
てこの原理を使って、相手の指先を吊り上げ、斜め後方にロールして相手を倒す技がトップロールです。その、動作軌道は以下のようになります。
トップロールでは、以下の3つの動作を円運動で行います。
①相手の指先を吊り上げる
②相手の拳を引きつける
③自分の拳を転がす(ロール)
筆者の選手としての経験上、①が成功すれば、そこから逆転されることはあまりありません。
写真は①が決まった状態で、完全に指と手首が伸びてしまっているので、ここから挽回するのは至難の業です。
ですので、①で相手に指先を持っていかれないようにすることこそが、最大のトップロール対策です。
指先を吊られないために必要な事
これはトップロールの初動を図にしたもので、吊り手の選手は肘を支点にして「くぎ抜き」の要領で相手の指先を吊り上げます。
この時に、指先で抑えようとすると「点で抑える」ことになり、トップロールの選手の思うつぼです。では、どうすればよいのでしょう?
その答えがこちらの図です。
指先で抑えるのではなく、中指・薬指・小指の「指の腹全体」を使って、包むようにしてトップロールの起き上がりと手の甲の回転を抑えます。これにより、トップロール選手は手首を返そうとすればするだけ、どんどん相手に自身の手の甲の深いところをとられ(相手の手の中で手の甲が空回りする)、非常に不利になります。
「点ではなく面で抑える」これが最大のトップロール対策です。
トップロール対策に最適なトレーニング方法
トップロール対策のトレーニングでは、指の腹の面でストロークをする前腕トレーニングが有効です。
このためには、専用のストラップ付きハンドル類を使用する必要があります。
通常のローラー・ハンドルだと器具を離さないためにどうしても指先で抑える必要があり、肝心の部分に効かせることができません。
ストラップ付きハンドルだと、ストラップが手の甲をある程度ハンドル・ローラーに固定してくれるため、強く握らなくてっも器具を離す心配がありません。
これにより、指の腹の面全体でリストを曲げる筋力を鍛えることが可能になります。これらの器具は、アンチトップロールハンドルとも呼ばれています。